(小説・エッセイ) 『悪徳の栄え』

悪徳の栄え1悪徳の栄え2

 マルキ・ド・サド原作、澁澤龍彦訳『悪徳の栄え』(1797年)角川文庫。

・・”表現の自由”とあるが(サド裁判がどうだったとかではなく)さすがにこの本は凄まじい。

書物の年代的には逆になるが先に読んだ沼正三原作「家畜人ヤプー」を読んだ時の読みごたえがあった。

ただ読んでて、ストーリーとか何が(誰が)どうしたどうなったという展開が頭に入ってこない。ひたすらひたすら繰りひろげられる残虐な殺戮と”タブー”という言葉さえ忘れてしまう性行為(行為というには言葉がキレイすぎるか?)の連続に自分は読みながら想像しながら(中には想像し難しい漢字表現があったりなど・・若気、栽尾、親嘴、精水、玉門、・・)繰り返される人間としての欲望赴くままの営みに以前観たパゾリーニの映画「ソドムの市」の描写もまだ全然抑えられているなぁと思い返したりと。

・・あと過激な性描写だけでなく登場人物たちの語る哲学的主張もいいね。

いち映画ファンのひとりとして(この本の賞賛者のひとりとして)いつか原作に忠実なR指定もブッ飛ぶような(ロジェ・バディム版とは違う)映像化をつくって欲しいね。

「・・幸福は悪徳のうちにあるものでもなければ、美徳のうちにあるものでもなく、われわれひとりひとりが自由に感じるその感じ方、人間の素質に応じてわれわれが行なう選択のうちにこそあるものだからである。・・地上における最も幸福な人間は、明らかに、どんな行為であれ魂が受けうる最も激烈な動揺を、己の魂に甘受しうる人間、ということになろう。 p158~p160本文より」←多数ある気に入ってペンでラインを引いた中の一節より

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