(小説・エッセイ)『春の庭』

春の庭1春の庭2

  第151回芥川賞作品、柴崎友香著『春の庭』(2014年)文芸春秋。

・・人の出会いと別れというトコだろうか。

読みながら世田谷の閑静な住宅地がヒシヒシと伝わってくる。その関連か、本の表紙のカバー写真の植物の(いかにも目に良さそうな)緑々さが美しいね。

以前に読んだ同じく芥川賞作品「コンビニ人間」のように男女の深い付き合いのない淡白さ(個人的にはちょっと物足りなさを感じたり)が連続しての共通性といったとこか・・。

全編にとりたてて事件や急展開の無い(正直、主人公の太郎が侵入し一晩寝過ごした後のテレビの撮影には一瞬ビックリしたが、それもいっときのドッキリ?)流れに著者の柴崎氏の風貌のごとくノホホンとした穏やかな日常模写が静かで心地良い。

・・買ってまだ未読の「よう知らんけど日記」「ドリーマーズ」もいづれも近々読むつもりだが、二作、三作読むことによって柴崎ワールドが徐々にわかってくることであろうとこれからの楽しみに期待している。

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