(小説・エッセイ)(松本清張) 『遠い接近』

遠い接近1遠い接近2

  松本清張原作、自分も気に入ってるが清張作品定番である矛盾的抽象的題名のひとつ『遠い接近』(1971年)文春文庫。

・・印象に残ったのには読んだ人皆が挙げられると思うが召集令状での「・・ハンドウを回されたな・・」という象徴的な会話とラスト主人公山尾信治が取調室でポツリと呟いた「マモナク、ソチラニイク」が切なく悲しい。

基本的には家族を招集礼状によって失ったことによる復讐劇なのだが、戦地での上官(NHK松本清張シリーズでのドラマでは元ドリフターズの荒井注さんが演じてた)から結構いじめのような観ててキツイ教育が荒々しくそれだけ主人公(ドラマでは小林桂樹さん演じる)に同情が募る。

・・そういえばというかやはりというか、山尾の職業が色版画工であって他作品でいうと「鬼畜」の印刷工など清張氏が若き頃関わっていた職種に近いことで詳しく書かれたりしてるね。

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