(小説・エッセイ) 『悪童日記』

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  アゴタ・クリストフ著『悪童日記』(1986年)ハヤカワ書房。

・・存在(そういうタイトルの小説があるということ)は前々から知ってはいたが特に読もうという気はなかった。某日、NHK BSでの映画の放映を一応予約録画して観る前にいったいどういう作品なのかと簡単にネットで調べてみると”世界中でベストセラー””映像化不可能”など書かれていてどれ程の作品かと興味が涌きモノは試しと読んでみようと。

・・すると読む前の”なんとなくこんなような世界かな?”を完全に(良い意味で)裏切られた。短い60章ちょっとの各章も一つ一つが読み応えあるエピソードになってて読み始めたら止められない。

内容はここでは控えるとして、まず思った感想として、例えがどうかと思うが、まるで漫画家白土三平の世界を読んだようで、人間の本来あるべき憎しみ、嫉妬、欲、喜び、などが散りばめられている。そして原作者が女性といえども変態的性描写や残酷描写が臭ってくるほど生々しく容赦なく綴られている(個人的に読みながら気持ちがよかった)。

・・”悪童”とはいえども世界中でベストセラーなどいろいろ紹介されていることから”ハリーポ~”や”ロード~”のようなおとぎ話世界のおはなしかな?と安易に思ってた自分が甘かった。

ラストでのお父さんのエピソードでなにか唐突に終わってしまった感があり拍子抜けしたのだが・・以後(続きの展開)は三部作の2冊目からなのかな?

・・まずは録画した映画を観ることにして後日は2冊目といいたいところだが、その前にまず自伝の「文盲」の方を先に読もうかしらと。

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