(映画・芸術・芸能)『砂丘 LA MODE』

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写真家植田正治による(特に砂丘メインの)作品集『砂丘 LA MODE』(2016)朝日新聞出版

・・正直、ホントなら絶版になってるParco出版による写真集『砂丘』(1986)がいまだに欲しいのだが、今や希少となって値もはって高くなってるよね。

・・2017年8月の山陰旅行のひとつに植田正治写真美術館を訪ねることに。

・・数年前にNHK「日曜美術館」で初めて氏を知った。特にその放送回を期待して観たのではなく、何気なくどんな人かもわからないまま観ているとその氏の考え方、生き方、作風などが自分の心に響き(その時までも龍安寺の石庭はじめ枯山水の庭に興味があったり、、つまりは砂紋や砂丘にできる風紋などにも惹かれ、映画「砂の女」をはじめ、日野啓三「砂丘が動くように」など読んだりなど)、いろんな要素が自分のツボにはまり放送回を保存して何度も観たものだった。そんなこんなでそれから氏の作品を本や写真集などで堪能。美術館の存在も知っていつか行ってみたいもんだと思っていた。そして今回の旅行のひとつとして行ってみることに。

・・島根県。JR安来駅からバスで10分ほど。田園地帯のなかに建つ真っ白な幾何学的前衛的建築物。館内では常設展示作品から企画展の作品まで多数展示されてたけど多くは既に写真集などで見たものなど特に目新しいものは無かったのだが、とはいえ、(憧憬シリーズ)のなかの或る一枚で、後姿の少女の作品(タイトルはなんだったかな?)がこれまでに観た記憶がなく作品からにじみ出る郷愁にずっと見入ってしまった。そして美術館の二階の大きな窓越しから見える大山。これはよく美術館の紹介での写真でよく掲載される有名なスポット。これを見ただけでも(生で)ここへ来た価値はあると思う。当日はあいにくのドンよりした曇り空でクッキリと大山が見えなかったがフォルムがわかっただけでも良しとした。

・・やはり氏の数々の作品(写真)だけでなく美術館(建物)そのものもアートなんだと思ったね。このことは今回の山陰の旅のキーとなったのではないか。展示品と同様あるいはそれ以上に魅力を感じたということ(足立美術館、鳥取民藝美術館しかり)。

・・あたりまえのことだが、映画は映画館で観る、クラシックなどのオーケストラなどはCDなどでは聴かずコンサートホールで聴くなどと同じようにアート作品は写真集だけでなく美術館へ行って展示作品を観るということがまず感動の一歩なのではないかな・・などと思ったりもね。

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