(小説・エッセイ)(松本清張)『指』

 松本清張原作『指』(1969)新潮文庫「水の肌」収録作品

 シーワワー(今で云うチワワのこと?)

 同性愛

 目白台の高級マンション

 凶器のメジャー

・・清張作品を代表する、いかにもな犯罪動機で告げ口や暴露などを恐れての犯行。

・・とは云いつつ、可哀そうなのは殺されたマンションの管理人さん。必ずしも以前のことを誰かに吹聴するとも限らないのに、そうと判断した主人公による犯行によって殺されてしまった。「ゼロの焦点」でのパンパンだった過去を知られないようにと風紀係をしてたというだけで(怖れて)犯行したのと同様、殺された男も過去の暴露をした訳でもないのに(恐喝したこともないのに)可哀そうにも殺されてしまった。そんなことも思い返したりと。

それよりも犬を殺したのを目撃した女による投書は今のSNSを思わせるまさに密告のようで、こちらの方が怖ろしいよね。