(映画パンフレット)『ベビイドール』

 テネシー・ウィリアムスの一幕劇戯曲「27 Wagons Full of Cotton」を映画化、エリア・カザン監督作品『ベビイドール』(1956)

 原題「BABY DOLL」

 (出演)カール・マルデン、キャロル・ベイカー、イーライ・ウォラック、

・・何年もの前に(日本語字幕スーパーでの映画鑑賞を半分諦めてたんで)海外版を買っておきながら、やっぱりいつかCSや映画館での特集上映なんかを期待しつつ待っていてセルDVDが出ても待っていたところへのTSUTAYAでのレンタルを知り(「生きていた男」など一緒に見つけて)さっそく借りて観ることができたね。

思い起こせば映画の存在を知ったのはエイドリアン・ライン版の『ロリータ』にゾッコンになりパンフと一緒にウィアード・ムービーズ・ア・ゴーゴーの特集ロリータを買い読んで過去のロリータ映画のなかでのこの映画の紹介を知ったんだっけか。

いやぁ、長かったね~。やっと観れることができた。ホント待っててよかった。

・・さて、鑑賞。期待通り、あらゆる意味(場面)で悶々とさせられた映画だったね。よかった。スチール(指くわえて寝てるパンフの表紙と同じ)のみしか知ることのなかったものの動く絵として初めて接したベビイドール・・翌日が二十歳という設定という役柄とはいえ容貌の幼さ・・というよりも裏情報による撮影時当人(キャロル・ベイカー)が27歳だったということに更にビックリ。

・・家の前のブランコでのヴァッカーロとのシーンは個人的一番ゾクゾクしたハイライトシーンだったかね。のちの家の中での無邪気なかくれんぼもね。

やはりと云うか・・たるんだ体の髪も薄い怒ってばかりのアーチーよりもスリムで大人げに迫る(テストステロンありげな?)ヴァッカーロの方が彼女にとって良かったんだろうかね(同じ口で剝いたものをアーチーは嫌い、ヴァッカーロの方は食べてたもんね)。

・・主要人物三人の関係を観てると、やっぱり「ロリータ」の三角関係や谷崎の「痴人の愛」の譲治とナオミにもかさなったり、ラストでのライフルもって・・は「シャイニング」のジャック・ニコルソンの「ダニー!」ならず「ベビイドール!」など思わせられたりなどね。

・・ところでタイトルの日本語表記については(どれがシックリするかね?)3パターンほどあったりなどちょっとややこしい。どれが正解でどれが不正解もないがね。・・

ベビイドール? べビィドール? ベビードール?