(映画パンフレット)『アルプススタンドのはしの方』

  兵庫県の高校演劇部顧問の籔博晶原作(戯曲)を映画化、城定 秀夫監督作品『アルプススタンドのはしの方』(2020)

  英題「On the Edge of Their Seats」

 (出演)小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里、黒木ひかり、

 (主題歌)「青すぎる空」 peggies

・・やっぱり、どうしても観ながら『桐島』とかぶさったりと、いろいろ自分に照らされたりすることや、あんな人いた、こんなことあった、など高校生ならではの悩み、葛藤、歪みなど思うものあったかな。劇中での会話のやりとりや気まずい場面なんか観てると痛々しかったりホントにいやぁ~な気持ちになったりと(それこそ昔自分にも体験したことなど思い出すなど)リアルさに心苦しくなる時もあるくらいだしね。 

そもそも自分だったら応援すること嫌って(強制であろうとも)ひとり何処かでくさってたかもしれないなぁと。しかも当時から元々つるむこと嫌ってたくらいの性なんで、同性なり異性なりからなんやかや云うモンには直接言葉には出さずとも「面倒くせぇ~なぁ~」って感じでスタンドの端どころか球場外にでも逃げてたんじゃないかとね。

・・率直に「しょうがない」には良いも悪いもないと思うけどね。他人からどう咎められようが自分正直に感じることを受けとめるしかまずないと。

・・野球やってた自分から思うにも、あんな大勢の人から送りバントひとつで「ナイスバント!」って、なんて幸せモンなんだって(フィクションだとしても)思ったりしたね。

・・けっきょく映画を観終えて、グラウンドで注目されながらプレーする(陽の当たる)選手たちだけでなく、スタンドで応援する(たとえ陽の当らない)ひとりひとりにもドラマがあるんだとね。

パンフの中で原作者の先生のコラムにもあるとおり(先生は甲子園の片隅で独り寂しく想像してたことがついにはこの映画にまで至ったことなど)何処でも誰にでもどんなシチュエーションでもそこには(大なり小なり)ドラマがあるんだなということを知っただけでも自分にとって心にも刺さった刺激を受けたもんだったかな。