(映画パンフレット)『太陽を盗んだ男』

  原作、脚本レナード・シュレイダー、長谷川和彦監督作品『太陽を盗んだ男』(1979)

  英題「The man who stole the sun」

 (出演)沢田研二、菅原文太、池上季実子、北村和夫、神山繁、佐藤慶、風間杜夫、伊藤雄之助、水谷豊、西田敏行、

 (音楽)井上堯之、星勝 

 (撮影)鈴木達夫

 (照明)熊谷秀夫

 (タイトル)「The Kid Who Robbed Japan」→『笑う原爆』→『日本 対 俺』→『プルトニウム・ラブ』→『日本を盗んだ男』→『太陽を盗んだ男』

・・いやぁ~すんごい映画だ。素直に面白かった。チカラ強い。パワフル。満足。お腹いっぱい。

 皇居でのバスジャック、ゲリラ撮影による街なか撮影、5億円紙幣のバラマキ、首都高でのカーチェイス、タブー?原爆づくり、ローリングストーンズ公演・・挙げてもキリがない(今じゃ無理だろうなぁ)。

この映画が公開当時『狂い咲きサンダーロード』との二本立てとして、いわゆるプログラムピクチャー的作品のひとつとして上映されてたことじたい驚きがある。

まず何を差し置いてもジュリーこと沢田研二による怪演、狂演、奇演、黙演、醜演ぶり。『ときめきに死す』『リボルバー』など似たような役ぶりも感じられるなか、どのカットが台本通りでどのしぐさがアドリブだったのかが気になってしょうがない。

ただでさえ普段から怪演役者のひとりとも云われてた自分もお気に入りの役者伊藤雄之助さんも気の毒な役柄だったとはいえ主演の沢田さん菅原さんのアクション(かたや菅原さんはといえば『リーサルウェポン』ばりの道連れのビルからの落下や『コマンドー』ばりのヘリにつかまりの銃ぶっ放しからの地上への落下まで)にこの映画ではさすがに越されたようだったね。

ラストカットでの止め絵での爆発音は『博士の異常な愛情』の日本版のようにも思えたり。まぁ、日本版と云えば、この映画じたい日本版『タクシードライバー』だよね。城戸先生が日本版トラビスで、選挙運動での聴衆の中のひとりだったトラビスに対し、ラジオの生放送でのライブで聴く聴衆者たちなかでの城戸先生だったんだよね。

・・劇中、個人的一番刺さったと云えば城戸先生のつぶやきだね、

「・・いったい何がしたいんだ?お前は?」

観てる自分にも問いかけられたような(その時の境遇が境遇だった為)ホントにグサッときたね。

・・まぁ、こんだけあれこれ情報や思うこと気になったことなどいっぱいあるような映画にも関わらずパンフが案外に薄くてなにかもったいないなぁ~と思ったね。今だからカルト化してるからショウガナイのか(当時はそれ程でもなかった?)もうちょっと評論からエッセイから撮影秘話など話題にこと欠かないようにも思えるんだがね~。