(映画パンフレット) 『砂の女』

砂の女(改)1
砂の女(改)2

 安部公房原作(脚本)、勅使河原宏監督作品『砂の女』(1964年)

 英題「The Woman in the Dunes」

 (出演)岡田英次、岸田今日子、三井弘次、他

 (音楽)武満徹

 (原作の舞台となった砂丘)山形県庄内砂丘

 (映画のロケ地の砂丘)静岡県浜岡砂丘

 『燃えつきた地図』『他人の顔』と共に、「失踪」三部作のひとつとされる。~

・・映画といいパンフレットといいモノクロ映像や写真がより視覚的に官能性(なんと岸田今日子さんのわざとらしくないエロチックなこと。とくに男仁木の体を拭きながら本能としてか性欲が募っていく恍惚顔には蟻地獄ならぬ砂地獄によって男を得た虫を感じざるをえない)、前衛性、狂気性を感じ表紙からも60年代のにおいがプンプンしてくるね。

パンフの中で掲載されてる写真ひとつひとつを見るたびに劇中で流れる武満徹作曲のスコアが頭のなかでキリキリ響いてくるよね。

この映画は昔から好んで何度も観ているせいもあってか(たぶんそうであろう)今日の龍安寺石庭の砂紋や鳥取砂丘の風紋などの無機質な中の幾何学模様に説明しがたい愛着を感じる要因が多大にあると自分でも思うものがあるんだが・・逆に云えばそういった無機質な世界が好きだからこそ、この映画の世界にもしっくりハマったんだろうかな。

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・・NHK「100分で名著(砂の女)」の4週放送がはじまる。やっぱり1週に1作品でなく1つの作品を4週かけてあぁじゃないこうじゃないなど深く詳しく考察したりテーマを知るのは良いね。久しぶりに原作を読み返してみて、あらためて登場人物たちの言動を考証してみると哲学的のみならず、性に対しての羞恥、笑い、この地球に住むという概念など募り募うはで、より恐怖も感じたかな。

・・やっぱり原作といい映画といいメイン(台詞)は「・・(他人のことなんて)どぅだっていいじゃない!」だね。一番刺さったネ。

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