(映画パンフレット)(原作松本清張作品)『ゼロの焦点』

 松本清張原作を映画化、野村芳太郎監督作品『ゼロの焦点』(1961)

 (出演)久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子、南原宏治、西村晃、加藤嘉

 (音楽)芥川也寸志

・・松本清張原作映画に関しては名作「砂の器」よも清張映画らしいかなと個人的に思われる作品。だけどとことん暗いよね。寂しいし、寒々しい。有馬稲子さんはやっぱり良かったね(「東京暮色」の時の有馬さんも良かったけどこの作品も良かったね)。高千穂ひづるさんのギロッと見る顔が怖かったね。とにかく共演の有馬さんばかり目がいって主演の久我さんを喰ってたような。

・・この映画のパンフに関しては長年存在しないもんだとこの間まで正直思ってた。「顔」や「張り込み」などの初期作品のパンフはあっておまけに「点と線」も同時上映との抱き合わせ版はあるが(ちなみにシネショップの店員さん曰く単独版もあるという)、なぜか、この映画のプレスシートやポスターはちょくちょく見るもののパンフの存在はまったく感じられなかったなぁ。そんななか、ふと出会ったこのパンフ。お宝ものをゲットした喜びは大きかったね。

・・さて、『ゼロの焦点』。原作本としては「点と線」に続いて2番目に読んだと思う。これで益々清張作品にハマっていったかな。ちなみに次に読んだのは「時間の習俗」だったと思う。それにしても舞台が北陸といい(ネタバレになるが)重婚といい、戦後のパンパンといい、とことん暗い。でもそれが清張タッチなんだな。残念なのは映画版でのラストで独りボートにのって漕いでいく犯人の姿を描いてほしかったな。

・・ロケ地巡りじゃないけどもう20年以上前にあまりのハマり具合に永平寺や東尋坊など一緒にヤセの断崖にも行ったけど当時は崖の先までなんにも規制されてなかったけど今では規制されてるらしいね。