(映画パンフレット)(ATG映画) 『地の群れ』

地の群れ(改)1
地の群れ(改)2
地の群れ(改)3

  井上光晴の同名原作を映画化、熊井啓脚本、監督作品『地の群れ』(1970年)

  英題「Chi no mure」

 (出演)鈴木瑞穂、松本典子、瀬川菊之丞、寺田誠、原泉、奈良岡朋子、佐野浅夫、紀比呂子、北林谷栄、宇野重吉 、

 (音楽)松村 禎三

・・先日、待ちに待っての初DVD化。

この作品はATG映画界の中ではあまり表立ったイメージがなく比較的地味目な(あくまでも個人的見解)作品に見えるのだが、実際最後まで観ると、佐世保の片隅の部落”海塔新田”においての閉鎖社会のなか、差別、葛藤、偏見プンプンの息苦しい展開が続き凄まじいショックなどあり強烈。特にハイライトと云うべきか、北林谷栄さん扮する”松子”投石(まるで3D映画のごとく画面のこちらに向かってとんでくるぶりには思わず目をつむってしまうほど)による虐殺シーンは凄まじいショックがある。

ラストカットの燃え盛る火に鶏がまかれる描写は他の作品『日本列島』にある、徐々に燃えていく紙にまかれる蟻たちを思わせる恐ろしい残酷性がある。観てて生々しくにおってきそう。

唯一の救いと云うか、可哀想な設定の娘役なのだが、女優の紀比呂子さんが今風な容姿に見えお奇麗だと思ったこと。

 

 

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