(映画パンフレット)『ドカベン』

  水島新司原作漫画を映画化、鈴木則文監督作品『ドカベン』(1977)

 (出演)橋本三智弘、永島敏行、高品正広、マッハ文朱、渡辺麻由美、川谷拓三、水島新司、

 ・・パンフはここ最近(近年)なかなかお目にかかることのない今や希少品となりつつあるかな。

 ・・これまでの半生でコミック全巻読んで、アニメも全話(リアルタイムでも)観たほど自分にとっても生涯で思い入れのある漫画作品の実写ときた。元々既にトンデモ映画だとわかっていながらも一度は観ておこうかなと、なんの期待もかけず(勇気をもって)いざ鑑賞。

 フタをあけると学校名から映画独自のキャラ変更設定もあったりと(しかも全編中野球と云うより半分以上は柔道じゃないか)、あと主人公じたいの一般公募(似てるのかどうなのかは別として)として産まれた山田太郎といい、腹立たしさ、ネガティブな捉えや思いを挙げたらとてもとてもキリないのでもぅ最初から割り切って観るしかないなと。たしかに「まんがまつり」のような4本立てのなかのプログラムピクチャー的作品だし(監督も鈴木則文だし)、もぅなんでもありな昭和のお笑い映画だと割り切って観ると冷静になり逆に意外と楽しめるなぁと。もぅ鼻で笑うしかない。

 終盤での高校野球地区大会予選なのか、試合ぶりを観ながら、なんだか「レッドビッキーズ」感。

 キャラにかんしてhあ(里中ちゃん)が(長嶋)という変更となったことはまぁ兎も角、原作漫画のなかでも個人的お気に入りキャラのひとり(のちのクリーンハイスクールで背負い投げ投法でもお馴染み)の影丸に関しては(役者さんはけっして悪くない、あくまでキャスティングというかキャラづくりとしてのスタッフのせい)いただけなかったなぁ。映画でも恰好良い二の線キャラをねらったらしいのだがトホホな感じ。 ただ、こういう(おバカな?)映画も昭和期にはいっぱいつくられたりしてて、高尚や一流ばかりが映画じゃないと判りながら苦笑しつつそのバカバカしさに時々ストレス抱えつつもまぁけっきょく楽しんだかな。今じゃこういう映画到底作られないしね。

(映画パンフレット)『パスト ライブス/再会』

 セリーン・ソン脚本、監督作品『パスト ライブス/再会』(2023)

 原題「Past Lives」

(出演)グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロ、

・・観ながら(観終わって)『接続』や『ハル』、ビフォアシリーズを思わせられる展開や作風に思ってたとおりの満足感。切なくも理性的に人生という(または決められたシナリオ的運命とでも)避けられない運命のいたづらに残酷だなぁ~と。劇場出てからも自分事のようにもし自分だったらこれまでの半生での別れた人々の顔がポツポツ浮かんだりなど。それでこの映画を観て幼馴染や同級生などに会いたくなったか?というとそうでもない。

・・邦題の(再会)というよりは、イニョン(縁)でしょ?スピリチュアルな見方をするとチェイサーやランナーと呼ばれるソウルメイト的な結びの縁的なものも感じるものがあったかな(独身者と既婚者による越えることのできない苦しみや壁が存在するという)。

 とにかく男(ヘソン)のウジウジぐあいにイライラすることもあったかな。親と同居はいいんだが、ソラ(アメリカに渡ったからも影響されたんだと思うが、常に気丈高のサッパリと思いつつラストでの号泣には驚かされた)に会いに行きながらも何にもしない受け身ばかりで(例えで云うと、自分で参加しておいての婚活パーティーなどで何にも行動に移さない男のような)女の方からハグされても手すら繋がない消極性に観てるこちらもイライラ。

・・この映画を自分が十代や二十代で観てたらまた違う捉えしたと思うし、今回観て楽しんだ(理解した)半分も楽しめなかったろうなぁと。