(書籍)(絵本)(夢に関する本)『正夫君の見たゆめ』

 谷中案規挿し絵、佐藤春夫著『正夫君の見たゆめ』(1943)帝国教育出版部

・・タイトルと表紙の絵が茂田井武調でかわいいなぁと手にとり(立ち読みもせず)即購入。

いいとこのお坊ちゃんの正夫君。実際みた夢はたいしたことはなかったけど、あいだあいだに挟まれる挿絵がとことん茂田井武さんのようだなぁとニヤニヤしながら微笑ましく読んでると中の或る挿絵にまさに「センチノガン」(茂田井武著)がヒョッコリ出て来たよね。あら、びっくり。

正夫君、夜に寝る際にはお母さんと二人きり。あれ?お父さんは?・・ページを戻して挿絵を見るとちゃんと正夫君の後ろの壁に(ちちはいくさに)の軸があるね。最初パラパラって読んだときには正直気づかなかったなぁ。・・そういう時代だもんね。第二次大戦中のね。

ラストではもうひとり女性が現れる・・お手伝いさんかな?まさに朝の登校の恰好もそうだけど、相当いい家柄なんだね。

・・茂田井さんも幾つか夢モノの絵本を書いたりしたけど、、こういう朗らかなオリジナルの絵本なんか描く機会があればいいなぁと思うよね。