(映画パンフレット)『シュヴァルの理想宮』

シュヴァルの理想宮1
シュヴァルの理想宮2

 ニルス・タヴェルニエ脚本、監督作品『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』(2018)

 原題「L’Incroyable histoire du Facteur Cheval」

・・今年最後の映画館にての鑑賞となろうかね?本来なら「ドクタースリープ」「アイリッシュマン」「ニューヨーク公共図書館」も前々からチェックしてて観に行こうとはしてたんだけどね、劇場に行くたび満員だったりつまらないことでこだわったりと徐々にモチベーションもトーンダウン。「アイリッシュマン」に関しては元々はTVのnetflix配信用ということで観る前からして過去の「グッドフェローズ」や「カジノ」とはちと違う印象(だったらちょっと待ってDVDやCS放送でもいいんじゃないか、おまけにチラシのみのパンフ化されてないし)。いろいろ観なかったりが続いて、とうとう残った(もしかしたら元々一番期待してたよな)この作品を仕事休みのサービスデーをねらって鑑賞。

・・椹木野意衣著「アウトサイダー・アート入門」のなかで初めてこの人物を知ってから、ガタロさんヘンリー・ダーガー、東健次らと並ぶ或る意味共通性の興味関心をもったこのシュヴァルさん。つくった理想宮の出来云々よりも(東さんと同じく)ひとりで黙々と三十年以上周囲からなにを云われようがつくり続けた人物像に今も強く惹かれている。

・・さて、映画。ぶ厚いおとぎ話を読んだような。シュヴァルさんもいろいろツラいこと悲しいことあったけど自分と同じくやはりあらかじめ書かれたシナリオを生きたんだろうなぁ。でなきゃ、あんなに人が苦手な人が二度も結婚し子供も授かることができようか?同じく二度目の妻となったフィロメーヌもシュヴァルにとってはソウルメイトだったのだろう。

でも、映画を全編観てて何かと辛く悲しかったね。「・・この世は生きにくい・・」・・胸に刺さったね。

・・そして映画を観ながら劇中の子供(アリス)が父に向かって同じことを何度も云う・・ところでふいに自分は過去に親しんだY氏を思い出した。そういえばYさんも独学で理想宮ならぬスタジオをつくったっけなぁ。劇中のシュヴァルさんと重なって見えてしまったね。