(映画パンフレット)『ビリーバーズ』

 山本直樹原作漫画を映画化、城定秀夫脚本、監督作品『ビリーバーズ』(2022)

 英題「BELIEVERS」

 (出演)磯村勇斗、北村優衣、宇野祥平、山本直樹、

・・原作未読の予備知識なし(劇場公開前の予告で一回観たかな)で鑑賞。しかもこの時期に観たというタイムリーの一言だけでは済まされないような、なにか気持ち悪くゾッとさせられる世界観に或る意味怖い。

観ながらやはりいろんな他作品などチラチラ思い起こされたりしたね。ざっとでも、「アナタハン」「流されて」「青い珊瑚礁」「連合赤軍~」「ときめきに死す」「サウスバウンド」「戦場のメリークリスマス」等など。

表と裏が一緒なパンフ(シンプルなロゴだけ)には、もぅちょっとキャラの写真付きデザインなどのような、もうちょっとなんとかならったのかな・・と。

 観終わっての率直な感想、ただ一言、「そりゃ、そぅなるわなぁ~(限定されたなかでの男女による共同生活の或る意味危険な要素として)」

・・自分にはフェチ的趣向があるのか、女性の裸になにも感じないわけではないが、北村さん(副部長)の全裸姿よりも、それ以前での、例えば海での食料漁り時などでの体にピタッと濡れついたTシャツ姿の方にドキリとさせられ、さらには朝の三人の瞑想時などでの足の裏をやはり同じくピタッとつける有様のような露骨でないさりげない性的描写に自分はカッとなったかな。

・・ラストで島へと集まって来た大勢の信者たちには怪しさ(洗脳されぐあい)があまり感じられなく、なんだか普通の青年たちが観光に楽しく集まって来たように見えてしまったかな。

さらにその直後での先生役(山本さん)がパンフをみるまでわからなかった。そぅだったんだぁ~と。そりゃそうだよね、馴染みなかったし、正直、「え?誰~?」っていう感じったね。

・・そして以下がこの映画を観ることによっての与えられた影響など最大の利点、サプライズとして得たこと。というのは原作を読んでなく内容も知らなかったので、まさかのそのカルト集団の日課のひとつとしての毎日やるべき行いとしての(最大のメインごと?)マレーシアのセノイ族じゃないが(今ではもうやってないとの情報も)朝までにみた夢を語り合うという夢モノときた。ただ、劇中での夢語りを見てると、アドバイスや教訓などをこえた、あれじゃ、連合赤軍じゃないが、総括だよね。

・・日々夢を疎かにしない自分にとって淫夢をみたからといって(どころか、日々エルドニ伯爵のように明晰夢をみられようになりたいと)汚れたとみなされた体を浄化するのではなく、逆に、その性欲や性エネルギーをいかに活用、昇華させるかという、「禁欲」よりも「エネルギーの活用」の方に自分は日々培ってるのだがねぇ・・そんな自分も観てても決してヒトゴトではない欲望のはけ口の辛さにこたえる。

・・とにかく今回を機にこの映画の原作をはじめ他の山本直樹作品が気になり(「レッド」は前々から気にしてはいた)いろいろ読んでみようかと。他方では健全にホノボノされる谷内六郎作品を読み漁ってる反面これからは真逆の?世界観の山本作品にも嗜んでいこうかと。

・・そういえばと、山本作品と夢モノというと、「ラジオの仏」という夢日記本をだいぶ以前に購入してたことを思い出した。どうやら山本さんは夢に関して興味がある?・・とすれば益々惹きつけられそうだ。

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 (それから数ヶ月経って)

・・なかなか現在では手に入りにくい原作漫画(しかも初版の方を)をあれからなんとか購入して読んでみた。やっぱり良かった。これを機に山本直樹作品に少しづつながら入っていこうと思う。他の作品でも夢モノがからんでるなど(今のとこは)自分にとっても波長があってるのかなと。面白味が伝わっているんだなと。