(映画パンフレット)『CLIMAX』

  ギャスパー・ノエ脚本、監督作品『CLIMAX』(2019)

  原題「CLIMAX」

 (出演)ソフィア・ブテラ、他ダンサーたち、

 ~まさしくダンテの「神曲」地獄篇をも思わせられる、連合赤軍による内ゲバをも感じられたような阿鼻叫喚の体感ゾーン~

・・とはいえ、鑑賞して正直なとこモット残酷地獄絵図を想像してたので思ったよりは・・目を背ける具合は案外無かったなぁ。もっと血みどろの肉片飛び交いのひたすら男女による乱交ぶりもあるかと思ってたので(さすがに逆さの字幕には仰天したね)、過去の監督作を考えるとちょっと物足りなかったような、期待しすぎたような、さらりとまともに鑑賞できた印象。

そりゃぁ、「アレックス」観て「エンター・ザ・ボイド」観て「LOVE 3D」観りゃさすがにそれ以上のものを期待するんでね・・。

ただ、圧巻は冒頭のダンスシーンだね。規律のとれた一糸乱れぬパフォーマンスには観ながら「コーラスライン」のラストのワンを踊るダンサーにも匹敵するくらいの観てて感動があったよね。以来今でもダウンロードしたCerrone「Supernature」を聴きまくり。

たしかにエグサは無かったもののドン!ドン!とビートの効いた音響のなか誰が犯人なのか誰が死んだのかはどうでもよく、一晩の乱交ぶりを覗くだけで観てるこちらもハイになる一種の麻薬映画としても他の作家にはない価値はあるんじゃないかね。

劇場出る際にはフラフラして気持ち悪かったけどね。