(映画パンフレット)『猫は知っていた』

 仁木悦子原作、第3回(1957年)江戸川乱歩賞作の同名小説を映画化、島耕二監督作品『猫は知っていた』(1958)プレスシート

 (出演)仁木多鶴子 、石井竜一 、花布辰男 、浦辺粂子 、高松英郎 、チミ(猫)、

・・もぅかれこれ2~30年以上前になろうか、清張、クリスティーをはじめ推理小説を片っ端から読み始めたころにこちらの原作小説も読んだが、今となってはどんな話だったかスッカリ記憶に残ってなかったので今回映画を観るにあたって初めてこのミステリー作品に接するような新鮮さも感じて楽しみに鑑賞。

90分弱のツッコミどこもいろいろあったが懐かしきThe 昭和のプログラムピクチャー作品の音がとび、ノイズチラチラの画面に、各人のセリフが館内に響くかんじが(←全部良い要素として)やはり家で観ることのちがいを菱と感じ映画館で(大勢のお客さんと)観るという至福を体感したね。これが一番大きかったんじゃないかな。

あとはなにより主演の仁木多鶴子さんだね。沢口靖子さんっぽさもかんじられて絶世の美女というよりも普通のどこにでもいる可愛らしい女の子さがかえって良かったね(当時19だとか)。

監督は『風の又三郎』の島監督。一回観た記憶のある田宮二郎さん主演の『複雑な彼』も監督作。この作品との3作品をみるとバラバラだね。

・・『恐怖劇場アンバランス』の8話でもドラマ化されたということらしい。だいぶ昔に放送された時に全話だったか録画しながら観たり観なかったりした記憶があるが、そぅとわかればちょっと観てみようかと。それは知らなかったなぁ。

・・で、どんなもんかと録っていたドラマ版を観た・・けど、ただでさえ映画での85分は(プログラムピクチャーにしては普通だが)ちょっと物足りなさも感じてたくらいなのに、さて、こちらのドラマ版は48分(青島幸男さんのストーリーテラーに悦子役の島かおりさん)。いくらなんでも展開や設定をはしおらなければならない・・ということでドラマの方は兄妹がもう既に住んでて、ピアノレッスンのくだりもなく、それ以前に登場人物たち一人一人の紹介というか人物性がわからないまま事件になるという・・しょうがないか。

・・そぅやって考えると先に観た(ちょっと物足りなさを感じた)映画を思い返すと、冒頭の箱崎医院まで探し向かうくだりや、それこそ娘幸子とのレッスン模様、登場人物たち各自のキャラ性のわかる描写などあって、まぁ、コンパクトながら充分にまとめられてたのかなって思うかな。