(映画パンフレット)『二十歳の原点』

 実在した高野悦子さんのベストセラー日記を映画化、森谷司郎脚本、監督作品『二十歳の原点』(1973)

 (出演)角ゆり子

 (音楽)四人囃子

・・情報によると20年以上前に日本映画専門チャンネルで放映されたらしいのだが(再度また放映してくれないかな?)、その頃は自分は原作すら読んでないし映画の存在すら当然知らない。

もぅ10年以上経つかな・・或るキッカケで高野さんの作品を全部読んで勿論感銘受けて、そして映画の存在も知り、観てみたいなぁ~と思いきや、テレビでの放送はおろかソフト化もされず半分(というか絶対)観れないもんだと諦め続けて・・の、今回の上映の機会を知るやいなや、その日は休みであるようにと願いつつ(実際うまくいき)さっそく劇場へ。夜の7時上映にも関わらず朝一番でチケットを先に買う。そして待ちに待ってた(本当に待ってた)映画を鑑賞ことに。

パンフは既に(というか、初めて知ったその頃の10年以上前に)手に入れてたし、映画の中身は知らないけど主演の角ゆり子さん(ということ)は「日本沈没」を観てキレイなひとだなぁと前々から目を惹いていた女優さんだったと知ってたし・・など、あとは主演の今作の映画を観るだけ状態だったので、もぅこちらとしては本編鑑賞を待つのみ状態だったんだよね。実際のところ原作も読んでるので悲しい作品とは分かっているけど、その高野さんを演じる角さんの芝居ぶりも早く観たくワクワク状態だったしね。

ちなみにパンフの裏表紙のもう一方の作品「朝やけの詩(熊井啓監督)」は日本映画専門で放送されたよね。

・・そしていざ鑑賞。

ふつうね、5年も10年も20年も観たかったと思ってた(待ってた)映画を観たもんなら「いやぁ~ホント観てかったぁ~」と思ったりも(まぁ、映画の中身にもよるがね)するもんだけど・・いあやぁ、やるせなかったなぁ~、むなしかったなぁ~・・。観られたことの感動よりもドップリ作品の世界に入り込み益々惹きつけられたねぇ。観終わってからすぐに原点、序章、ノート、の三冊を久しぶりに読んでみようかとね。映画を観たことによって登場人物(劇中の鈴木や中村など)がイメージしやすくなったしね。

主演の角ゆり子さんがホントにチャーミングだったね。ずっと出ずっぱりの、まるでPVのようだったね。

・・益々高野悦子さんの自死がわからなくなったね。ただそれも高野さんの決められたシナリオだったのか運命だったのか・・まだ幼い子供だったのか、年齢とは違う大人だったのか、考えた末の行動だったのか、突発的なことだったのか、正気だったのか、覚悟の末のことだったのか・・ただ、個人的にラストでの列車の光のなかの高野さん(演じた角さん)の恐怖?のこわばった顔がちょっと違和感あったかな。

・・主人公をみてるうち、やっぱり自分にも重なる(近いもの)部分も感じられたりと・・親や友達や職場の人間にも解らない領域がじっさいあるのだ・・など。

・・メインテーマを聴いて70年代映画(赤ずきんちゃん~を思わせる)懐かしくも美しいメロディーにあれ?と、「ペイネ」でのモリコーネ作曲のメロディーに似てるな?と早速サントラを求めちゃったね。