(映画パンフレット)『ニュー・シネマ・パラダイス』

 ジュゼッペ・トルナトーレ脚本、監督作品『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)

 原題「Nuovo Cinema Paradiso」

 (出演)フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、

 (音楽)エンニオ・モリコーネ

  ~今は無きM地下劇場で鑑賞~

・・たしか世間では既にけっこうな評判となってて話題となってた頃に遅れて観たんだよね。これまでの半生で観た作品のなかで(ちょっと恥ずかしいかな)劇場で涙でグシャグシャになったうちのひとつ。もぅ上映が終わった後も出るに出られなかった(顔を整えるまでに時間がかかるなどして)。勿論自分だけでなく満員のまたしかにわりのお客さんたち皆涙と鼻でグスグス。まさに生涯の一本となったね。モリコーネのサントラも今でも(パブロフの犬)的・・耳にするだけで涙腺が・・。

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 <映画館で映画を観るということ>

・・なんで映画をテレビ放映やDVDなどで観るよりも映画館で観る方がいいのか?

大きいスクリーンで迫力ある音響だから?・・たしかにそうだね。途切れることなく集中して他の客と一緒に観るというシチュエーションや雰囲気?・・たしかにこれもそうだよね。

でも本当のところなんだろうなぁ~ってちょっと考えてみる。答えは一つじゃないけど大きな要因として自分が思うにはやっぱり「記憶」なんじゃないかなって・・。映画(作品)そのものよりも「いつ」「その時どういう身で」「どこ(劇場)で」「その時どんなことがあったか」などなど、勿論観た映画の内容の素晴らしさもあるが、その時その時の記憶が家でのテレビを通して観た映画よりもあれこれ憶えてるもんなんだよね。

幼き頃から通ってた地元の映画館で毎度観ながら食べてたポテチのことから、ロビーの片隅に置かれてた次回上映の作品の割引券、上映前に観た予告編に興奮したことなど、またはひとりで観たものから珍しくクラスメイトと観たもの、家族で観たものなどなど。そして今は無き(閉館)劇場で観た思い出など。・・これなんじゃないかな・・。その延長としてでもないけど思い出のひとつ(人生の教科書)パンフも買うのだが、特に昔の時ほど懐かしくけっこう記憶に残ってるもんなんだよね。更にもっと昔にさかのぼると(お金を払って劇場で観る前のこと。小学生だった頃など)、町内会での催しでは大人から子供も集っての近所の公園やスーパーの敷地での映写機設置しての上映会などもあったりと、これまた記憶に残ってるもんなんだよね。

だからか映画(じたい)の楽しみというより(も・・確かにそうだけど)、あの時、あそこで、あれ観たよなぁ~っていう・・まさに記憶なんじゃないかな。けっきょくそっちの方がひとり部屋で観る映画よりも案外憶えてるもんだよね。

・・この作品『ニューシネマ~』の劇中、老若男女がそろって映画を観ながら楽しんでる(通路から立ち見の客の多いなか)様子を見ると自分にとっても懐かしくなんだか涙出そうになるくらい回顧しちゃうよね。