(映画パンフレット)『四月怪談』

 大島弓子原作漫画を映画化、小中和哉監督作品『四月怪談』(1988)

 (出演)中嶋朋子、柳葉敏郎、角田英介

 (音楽)中谷靖

・・パンフはもうだいぶ前に(安価で売られていたのをみて)じっさい買ってはいた。なんで買ったのか?昔聴いてた深夜ラジオでの映画紹介の番組で紹介されたのを聴いた記憶があったからだね。ただ正直観ず嫌いじゃないけどちょっと小馬鹿にしてた。

以後、シネマショップや古書店などで何度もこのパンフを見かけたりして充分存在も知ってた。とはいえ観たいとは正直思わなかった(個人的にパンフの表紙からして女の子向けのメルヘンタッチの可愛らしい映画化かと先入観もあって自分好みでは絶対無いなと)。

それから二十年以上経ったろうか・・、ふと昔観たり聴いてたテレビやラジオ番組を思い出したりしてたなかで、テレ朝系列だったかな?(ウチはローカル局だったので)毎週だったかお昼か夕方の頃に15分くらいの番組で「映画への招待」だったかな?毎回2,3本の新作映画などを紹介してた番組で進行を男性の映画評論家だったか(名前もすっかり忘れてしまった)ナレーションして紹介してたもので番組の始めと終わりのテーマ曲として調べてみたところ「綿の星国のテーマ」だとわかりyou tubeで懐かしく聴いたりしてるとリンクで(けっきょく原作者が同じだったということで)「四月怪談」フルムービーが目にとまり、あったなぁ~と。その時も特に観ようとはしなくとりあえずどういう作品なのかとネットで調べようとみると・・作者の大島弓子さんが或る夢でみた幽霊らしきとの交流をもとに・・など書かれてるのをみて、明晰夢ではないにしても夢モノかぁと俄然興味が湧き映画よりもまず原作から読んでみようと早速漫画を買い読んでみた。読む前は少女漫画という先入観やこれまでなかなか読むことのなかったことからもあってそんなに期待はせずどっぷりメルヘンチックな乙女モノと見込んで読んだが・・さらっと短編の一作なので時間かからず読んだが意外と刺さった台詞などあったりと良かったなぁと。「・・国下さんは国下さんだろ、能力があってもなくってもさ・・」・・なんだか涙出そうになったね、深い理由はわからなかったけど。

そしていざ映画を鑑賞。まずなにより劇中テーマ曲が良い。懐かしき80年代を思わせる、例えば「キッチン」や「ときめきに死す」を観た時の感じ、また曲の雰囲気的には久石譲さんや川井憲次さんタッチを個人的に感じたような一度聴くとやみつきになりそうな(自分のツボ)旋律にもうOPとEDのテーマ曲を何回も聴いてしまった・・と同時にサントラが無いことが悔やまれなんとも惜しいし残念。それくらい曲のウェイトがまずは大きかったね。

中嶋朋子さんは『ふたり』の姉役を演じた芝居ぶりよりものめり込んでしまったね。キュンキュンしたね。わざとらしくアイドルぶるのではなく普通の高校生をリアルにキャピキャピと演じられていて、時にはキャーキャー云うお茶目ぶりがホントに良かったね。まぁ、そんな初子を演出した小中監督が秀逸だったってことか。そしてダンテに寄り添うウェルギリウスのような柳葉さん(原作漫画版でいうとアルフィーの高見澤さんのような風貌よりはこちらの方が良かったかな)からもいろいろ名言を云ってたね(思わずメモしたくなるような)・・

「とりえってなんですか? とりえってすなわちあなた自身ではありませんか・・とべないことも不可能のことも冴えないこともみんなとりえなんじゃありませんか」

「「ヒトの一生って何の為にあると思います? 自分の一生はいつか会えるたった独りの人の為にあるんだなぁって思ったんです・・不思議ですよね、人一倍人恋しい気持ちを持ってるくせに独りで居ることに慣れてしまったんです・・独りで居ることに寂しくないことを自慢する・・」

まさか気軽に観た映画からこんなに身に染み入るような言葉をもらったことに・・いや、もしかしたら、このタイミングで自分もこの映画(漫画も)にふれたことに意義があり自然であり必然であり、シナリオどおりだったんであろうと考えたね。

・・いやぁ、なんにしろ、この映画のサントラが欲しいね。