(映画パンフレット)『レイブンズ』

  マーク・ギル脚本、監督作品『レイブンズ』(2025)

  原題「Ravens」

  (出演)浅野忠信、瀧内公美、ホセ・ルイス・フェラー、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀、

・・出演者に瀧内公美さんという一点で、なんの予備知識も基となった写真家の深瀬昌久氏のこともまったく知らないまま鑑賞。去年にひっそり公開されて観た『奇麗な、悪』が主演だったにも関わらず消化不良だったこともあったが、今作では浅野さんとダブル主演にも思われたほどの堂々とした演じぶりに満足。ただ、写真家深瀬についての伝記もの以上のものまでは刺さらず鑑賞後の後味もそんなにスカッとなるものでもなかったなぁ。

 伝記といっても、監督が外国人であったためか、ATGの『Keiko』や写真家ではないが作家鈴木いづみを映画化した『エンドレス・ワルツ』など連想。写真家のカップルを描いたということで、アラーキーとはちがう、もう一方の世界を覗いた感じ。

・・漫画もアニメも読んだり観たりもないが、デス・ノートだなぁと。ドキュメンタリー調の流れかと思いきやの、プラスしてのクリーチャーとは、欧米らしいやと。 

 だいたい、どこからどこまでが本当で、どこがフィクションだったかと気にはなったね。

・・パンフの表紙については浅野さんの顔もいいが、タイトルからしてカラスなので。深瀬さんの作品にもあるように、カラスのシルエットのようなモノの方がよかったかな。

(映画パンフレット)『窓からローマが見える』

  日伊合作、池田満寿夫原作、脚本、監督作品『窓からローマが見える』(1982)

  英題「Roma Dalla Finestra」

  (出演)中山貴美子、クラウディオ・カッシネリ、デリア・ボッカルド、佐藤陽子、

  (音楽)オール・モーリア

・・パンフのバックの背景の真っ白ではない、エーゲ海のミコノス島などの建物を思わせるような(漆喰感もあるが大理石にも見える)テクスチャ感がいい。その窓枠を思わせる枠のなかでの(うるさくない)中山さんのまったく下品に見えないショット。どちらかといえば、あえて裏の方を表にもってきてほしかった個人的嗜好もあるが、それ以上にチラシやポスターで使われた中山さんの半裸ショットの方が断然いい。たしか微かに覚えてるが、公開当時、近所の電柱にも宣伝ポスターとして(近所じゃなかったかな?もっと街中だったかな?)貼られていたのを覚えており当然ながらまだ子供だった自分は興味本位ながら通りざまにチラリチラリ見る感じだったかな(さすがに近所の電柱に掛けられてた『エデンの園』には困ったね。直視できなかったね)。

 ただ単にこのチラシ、ポスターで使われた中山さんの半裸バージョンの方がよかっただけでなく、アートなスチールとしてずっと見ていられるようなエロチックさ、アーティスティックさ、品の良さ、格好良さ、などが感じられ、それこそ、「ミロのビーナス」やミュシャの作品など(特に好きな「ダンス」など)を思い起こさせられる。 といった感じで、さすがアーティスト池田さんの作品もあってか前作の『エーゲ海に捧ぐ』共々目で観る視覚的にも映えるアートをかんじ、中身(本編)いぜんに心地よく何度か観てしまう作品のひとつとなってるかな。 好きに思われる作品となると、叩きたくなる部分もないようで、作品によっては下品に煽情的に単なるエロだけに捉えられそうなキャッチコピーもこの作品では卑猥さも感じられず(あくまで個人的に)品のいいセンセーショナルなゾクゾク感がある。