Updated on 12月 27, 2020
(小説・エッセイ) 『風の歌を聴け』
村上春樹著の長編デビュー作『風の歌を聴け』(1979年)講談社文庫
・・『ノルウェイの森』に次いで読んだ2冊目の村上作品。
『ノルウェイ~』で特にファンになった為でもなく『青いパパイアの香り』『夏至』のトラン・アン・ユン監督による同名映画が話題となったことから、それまで一冊も村上作品を読んだことのなかったこともあって映画を観る前に一応読んでおこうとしたのがキッカケ。
・・それから時間も経っての先日、CSでATG映画『風の~』(大森一樹監督作品)が放映されHDDに保存した状態にしておいて原作と映画を楽しもうと(結局いつものパターンなのだが)読んだ。
・・そしてこの原作。しゃれた言い回しというのか、日常会話でながら日常会話らしくないなぁと自分では思われた数々のやりとりには(ハルキストの皆さんには悪いが)正直なところちょっと鼻につく感じに思われ、全編を楽しめた感、良かった感があまりなかった。特色のひとつとして全編にわたって作家名やミュージシャンなどの名前(レコードのジャケット名にいたるまで)がポロポロ登場するのだが、知ってる人もいれば初めて知る名前など。M・J・Q(ミルト・ジャクソン・カルテット)の名前が出てきた時には自分も好きなこともあってちょっと嬉しかった。作家の”デレク・ハートフィールドに関しては誰?と思わずつっこんでしまい、自分にとって初めて知る作家だったのだが、後に知ったことに~~だったとは思いもよらなかったことに驚いてしまった。やられた。
本編中の他に関しては『ノルウェイ~』の中での会話でもみられた「・・もちろん・・。」のリアクションも今回の原作においても数度みられ、これは村上氏によるお決まりのパターンのひとつなのかと思ったり。
・・とにかくBARやベッド上での会話が多くを占めるこの原作が映画ではどう描かれているのか、楽しみというか、どうなのかという読後の心境。早速これから保存してあるHDDの映画を再生することにしよう。