Posted on 12月 24, 2016
(映画パンフレット)『ある戦慄』
ラリー・ピアース監督作品『ある戦慄』(1967年)。
・・この映画についてはホントに昔からシネショップや古書店などで販売されてるパンフやチラシなどをよく見かけたりして(そのインパクトあるタイトルとなんとも云えない独特な表紙が脳裏に残り)さすがに存在は知ってた。ただそれだけで他はなぁんにも知らないまま・・、つい最近になって或る古書店でびっくりするくらいの(100円だったかな?)で売られていたこのパンフをすかさず購入しDVDでいざ鑑賞。
・・お話的には、アメリカだけでなく日本でも起こりうるべき事態の映画。もし自分も”そこ”に居たらと思うと・・どうするかわからないだろうなぁ。
・・たしかにこの映画、身近な日常生活の中での現実的リアルな恐怖を描いてはいるのだが、やはり映画とあってちょっと話が出来すぎている部分もあるし(ある意味舞台劇にも見えたりも)、ちょっとした不満も残ったことも。(出来すぎ)に関しては、何両もある(10両以上あった?)電車にもかかわらず(しかも深夜なのでそんなに乗り降りの激しくない時間帯の中で)、うまい具合にこの車両のみ人々が集まってくる(まるで「オリエント急行殺人事件」での駅のホームに登場人物たちが乗り込むオープニングのように)。加えて、事態が起きると・・・なぜ逃げない?(この”なぜ逃げない?”・・最近も「葛城事件」でも書いたなぁ)駅を降りずともなぜ車両を変えない?たしかに故障の扉もあったけど出入りするチャンスはいくらでもあったように思うが・・。そこはちょっと映画的出来すぎ状態に少し不満に感じたかな。
・・登場人物に関してはチンピラ役の若きマーティン・シーンよりも個人的眼がいったのは、ヒッチコック「裏窓」の看護婦のおばちゃんこと、テルマ・リッターが観られたことの方が良かったかな。
・・賛否はとにかく、全編観て正直、気持ちのよくない、なんだかムカムカするような映画だったな。