(書籍・エトセトラ)『吉田璋也の建築の原点』

鳥取民藝美術館1鳥取民藝美術館2鳥取民藝美術館3

建築資料研究所発行『吉田璋也の建築の原点~鳥取民藝運動の軌跡~』(2016)

・・鳥取と島根の山陰旅行での最終日に行ってみようと決めていた鳥取市内にある鳥取民藝美術館。そもそものキッカケはさかのぼること10年ほど前、NHKのBSで放送されてた「にっぽん心の仏像100選」という番組内で紹介されてた(民藝美術館で当時学芸員だった女性による投稿から)美術館に隣接する(童子地蔵堂)のエピソードが自分の心に突き刺さり(感動し)、いつか行ってみたいものだ(生で見てみたい)というのがキッカケ。

・・それから10年。今回の旅行のなかでも外せないスポットとして決めていた。館内は常設展示物に加えて企画展で陶芸家バーナード・リーチに関するのが催されてた。自分は初めて知った人物。絵なども描かれたりして鳥取砂丘を描かれたものが良かったな。今では更に知りたいと近々氏の書かれた「日本絵日記」(講談社学術文庫)を買ってみようかと。

・・ただ今回美術館をじっくり時間かけて見てまわって感じたことは、ちょうど足立美術館の時と同じような感じ、つまりは展示されてる作品よりも建物や庭の方(いわば雰囲気というものだろうか)に感動をおぼえたこと。民藝美術館もけっして大きくはない(元々の家屋を美術館としてる為)のだが、風情、趣などのにおいが心地よく感じられ館内を歩くたびに木造のミシミシと音のするのがこれまた良い。そして美術館を出て隣の地蔵堂へ。・・テレビで見たのと同じだ。思わず手を合わせたくなった。中はステンドガラスのようなカラフルないろどり。記録として(写真)携帯をポケットから取り出したのだが、さすがに中の神聖な雰囲気に止めてしまった。

・・そして童子地蔵堂からその足で、前夜に行こうと決めてた古書店「邯鄲堂」へ・・。

・・と、その前に。元々古書好き、古書店巡り好きである自分は日頃から近辺の古書店や即売会などに出向くのがライフワークであるいじょう、全国各地に旅した時などにも近くには古書店はあるかな?と調べあちこち行ってることから今回も鳥取市内にあるかな?(時間があったら寄ってみよう)など前夜に調べたところ「邯鄲堂」というお店があると判明(しかも美術館から歩いても行ける距離)。どんな特色のお店かな?とネットでの別の紹介されてたもの(新聞記事だったかな)を見ると店主の女性(Mさん)の写真つきでお店が紹介されてるものがあった。何気なく紹介文面を読むと店主のMさんはかつて民藝美術館で学芸員をされてたということらしい。・・ん?・・あれ?と思う。・・あれ?もしかして、なにか見覚えあるような・・番組に出てた同じ人?・・ただその時は鳥取に居たので確認しようもない。帰ってから番組を保存してあるDVDを見てみようと・・。

・・お店は古民家の構えのよう。あまりに店内は静かだったので「やってますか?」と控えめにカウンターにいる店主らしきに聞く。店内の中央にはこの書『吉田~』が置かれてあってさっそく購入した。精算時、店主(ちょうど茶碗かなにか器を修繕してた)をさりげなく伺うが番組に学芸員として出演してた人と同一人物なのかどうか・・唐突に聞くのも失礼かと思い何もなく店を出た。

・・この書では、美しい鳥取砂丘の写真から童子地蔵堂も詳しく紹介されていて、映画を観た後の記念として買うパンフレットのような自分にとっての良いお土産となったかな。

・・さて、それから後日、家に帰ってから保存してあっただろうと記憶してた番組を探すと(何百枚とあるなかから探したので一苦労した)たしかにあった(谷村新司さんと黒田アナの司会の番組)。そして問題の民藝美術館の紹介の枠を観る。あぁ、やっぱり同じ名前だ。10年前とはいえ風貌も同じだ。・・けど、なぜに、どういう経路で学芸員だった人が今では古書の世界に?と、また違う興味がでてきたのだった。・・元々古書(本自体)が好きなのかな?お店は一人できりモッテいるのかな?大変じゃないかな?など余計なことも考えたりと。ただ、最近では都内の古書店でもチラホラと徐々に女性店主の姿も見られるようになっている為、そんなに珍しいということでもない。逆に客としても頼もしいものだ。古書ライターの岡崎武志さんも「女子の古本屋」など書かれてるくらいだしね。

・・と、そんなこんなを思ったり考えたりした鳥取での美術館と古書店であった。

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