(映画パンフレット)『悪魔が来りて笛を吹く』

  横溝正史原作を映画化(1954年に次いで二度目のリメイク)、角川春樹製作、斎藤光正監督作品『悪魔が来りて笛を吹く』(1979)

  英題「The Devil’s Flute Murders」

 (出演)西田敏行、斉藤とも子、夏八木勲、仲谷昇、鰐淵晴子、宮内淳、二木てるみ、小沢栄太郎、池波志乃、梅宮辰夫、

 (音楽)山本邦山 

  ~天銀堂事件(帝銀事件)、火焔太鼓の紋章、近親相姦~

・・原作は未読。NHKの番組を観て興味を惹かれ鑑賞。これまで市川崑監督の石坂浩二金田一を観て来たので西田金田一がはたしてどうなることやらと(悪霊島での鹿賀丈史金田一も多少の違和感あったけどあれはあれでまぁと)一抹の不安もありながらの鑑賞。たしかに思ってたかんじのアドリブもあったかのようなインテリにはみえない現代チックが中途半端なかんじに。

 他の出演陣(俳優陣)も豪華さ華やかさに乏しかった印象。と、そのまえに、肝心な設定もスケールが小さいようにも(市川監督シリーズに比べて)。映画というよりテレビの2時間サスペンスに感じたり。洋館での殺人事件を思うとATGの『不連続殺人事件』ぽかったかな。

 パンフの表紙やオープニングタイトルにも出てた助清風の架空の悪魔は何だったんだか。

・・原作での異母兄妹の小夜子の自殺が映画では共同犯のひとりに代わってたね。原作での犯人による復讐度が(文字に書いて宣言するほど)映画化では復讐の鬼となる・・とは少し動機的には弱い印象だったようにも。

 鰐淵さんの妖艶も観てるうちに期待したけどちょっと弱かったかな(淫乱とまではなかったかな)。ヒロインの斎藤とも子さんはやはり(この頃?)レッドビッキーズの方が大いに印象残っているね(残念ながら始まって間もなくして監督替わっちゃったけどね)。