Posted on 5月 25, 2025
(映画パンフレット)『籠の中の乙女』
ギリシャ映画、ヨルゴス・ランティモス脚本、監督作品『籠の中の乙女』(2009)
原題「 Κυνόδοντας(ギリシャ語)、 Dogtooth(英語)」
(出演)クリストス・ステルギオグル、ミシェル・ヴァレイ、アンゲリキ・パプーリァ、マリー・ツォニ、
・・初見時も二度目も正直感覚映画と受けとった。初見時は新感覚な変な映画にリンチっぽくもハネケっぽい抑圧されたフェチな映画だと思ったが、、二回目を観ると(観る時期もあろうが、かなり間をあけての鑑賞)変わったかな。
『籠の中の』『ロブスター』『聖なる~』あたりまで観た頃は作家性の強い独特な個性の監督作ということでクセは強いが自分の好き系統かと思われたが、、今回久しぶりに観ると笑いに舞台劇のような「どうでしょ?」「これ変でしょ?」「おかしいでしょ?」の感じが(自分には)匂い、ちょっと引いてしまったなぁ。初見時の好印象に対して今回観て面白い面白くなかったというよりなにか好きになれなかったなぁ~といったかんじ。まだリンチ監督は天然な独特なクセが感じられるからね。
ラストでの姉のとった行動(アメリカ映画をつい観ただけに)は「井の中の蛙大海を知らず」からの脱出、『トゥルーマンショー』の主役ジム・キャリーを連想。小説で云うとこの「都市と星」のアルヴィンのとった行動のように自ら新たな世界を求めて外界へと旅立つような、そんなことを思ったかな。
家族で使う一般とは違って使われる意味での単語についても冒頭から面白く観てたが、中盤もこえて終盤絵といたっていくと現実とはかけ離れたチンプンカンプンな言葉のやりとりもなんだか薄れてて序盤のみの変な家族紹介の導入にすぎなかったのかな?と。だいたい奇抜な設定とはいえ父母の本当の考えがよくわからない。
作品のタイトルに関しては原題の「犬歯」といわれても多くの人がピンとこないであろうことを思うと邦題の方がまだ良い(というのか、取っ付きやすい)んじゃないかな(乙女だけじゃないがね)。
パンフの表紙デザインに関してはせっかく姉妹なのに一人だけということと、なんのシーンなのか全然わかりずらいということなんかを思うと、やはりだが、誕生会での踊る姉妹のツーショットの方がまだいいんじゃないかなと。タイトルにも「乙女」だし。