(映画パンフレット)『大統領の陰謀』

  ウォーターゲート事件を追及したワシントンポストの二人の記者による手記「大統領の陰謀 ニクソンを追いつめた300日」をもとに映画化、ウィリアム・ゴールドマン脚本、アラン・J・パクラ監督作品『大統領の陰謀』(1976)

  原題「All the President’s Men」

 (出演)ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード、ジャック・ウォーデン、マーティン・バルサム、ハル・ホルブルック、ジェイソン・ロバーズ、

 (撮影)ゴードン・ウィリス『ゴッドファーザーシリーズ』

 (音楽)デヴィッド・シャイア

 ~第49回アカデミー賞(1977)、助演男優賞(ジェイソン・ロバーズ)、脚色賞、美術賞、など4部門受賞。作品賞はノミネート(受賞は『ロッキー』)~

  *ウォーターゲート事件・・1972年6月17日(大統領の選挙戦の最中)に起きた、ワシントンの民主党本部(ウォーターゲートビル)に侵入したCIA工作員による盗聴仕掛け事件。犯人グループがのちにニクソン大統領再選委員会の関係だったことから1974年にアメリか史上初の辞任に追い込まれた。

・・はじめて映画を観るに際して、完全にドキュメンタリータッチな社会派映画とあって監督はてっきりシドニー・ルメット監督かと思ってた。全編うるさい音楽もなく冒頭の犯人グループによる侵入シーンからまるで『ミュンヘン』でのブラックセプテンバーたちの侵入とかさなるような、他にも駐車場での情報提供者ディープスロートとの会談など地味ながらハラハラさせられる退屈の無い見応えある映画だね。

 主演の二人の記者(バディムービー?)も給料なんかどうでもいいと思わせられるくらい、毎日仕事(ひたすら取材とダメ出しの連続)に駆けずり回っている姿をみてると、『砂の器』での今西刑事と吉村刑事が思い浮かんだり。

 頭では以前から知ってはいたが、この映画で(映像として)はじめて(ディープスロート)というものの存在がどういうものであったのかを知ったね。謎の密告者というのか情報提供者のことだったんだね。長い間その謎に隠された提供者ことディープスロートの男が2005年に自ら公表したことで(元FBI副長官だったマーク・フェルドという人物だったらしい)、2017年にその男が主人公となった『ザ・シークレットマン』という映画が観たくなった。

・・役者陣では年かさねたローバーと・レッドフォードがブラット・ピットに見えたりすることもあったりなど、『サイコ』での探偵役のマーチン・バルサムなども脇陣としていい味出してたね。