(映画パンフレット)『恋人までの距離(ディスタンス)』

  リチャード・リンクレイター脚本(主演の二人も共同脚本)、監督作品『恋人までの距離(ディスタンス)』(1995)

  原題「Before Sunrise」

  (出演)イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、

  (劇中歌)「Come Here」ケイス・ブルーム

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・・すでに、いつの間にやら手元には『ビフォア三部作シリーズ』のパンフもあり(いつものごとく積パン・・パンフはあるがまだ映画を観ていない状態)、映画も録画保存しているにも関わらずこれまで観ていなかった。タイミングもあるし観たいという意欲の有る無しなど。 そして今になってようやく第一作から観てみようと(嫌々じゃないが少し腰を上げるような心持で)。巷でもこのシリーズじたい人気ある作品とも云われてるし。

・・まず初公開時からもそうだけど、あらためて、邦題がどうも。今では普通にタイトルに使われるカタカナ表記のそのまんまのタイトル『ビフォアサンライズ』でよかったんじゃない。表紙の写真もラストの二人よりかは個人的には列車の食堂車でのツーショットの方が・・なんか思ったなぁ。

 それで映画だけど、やはり観た時期が遅すぎた。つまりは既に三部作あるとわかったうえでの第一作目の鑑賞。ということで、一作目がどんな結末になろうとも続き(続編)があることがわかってるという状態で観たということ。公開された当時のように二作目三作目もない状態で観たらよりラストにいたる二人の別れが寂しく悲しいと云うのか余韻を感じたろうなぁと。そのこともあって感動も薄れたし。

 そしてそもそもなんだが、(これまで観ていなかった動機にもあるが)主演の美男美女の二人。欧米ではこういうこと(行きずりの関係)はあり得るかどうかはともかく、日本人としてリアル感ないトレンディードラマを観たかんじでどうも(思ったとおり)のめり込めなかったなぁ。多少の僻みやっかみもあったんじゃなかったかな。いくらなんでも馴れ初めにに関して(一期一会)、軽く話しかけたりするのはまだしも急遽途中で降りてまで同行するという・・ちょっとそれは無いんじゃないかなと(切符の無駄までとは云わないけど)。 とにかく美男美女のベタベタイチャイチャが観てて気に食わなかったんじゃないかなと。

 ただ唯一響いた面白かった点といえば、フィクションの設定とはいえ、冒頭での列車内での二人が近づく原因となった或る夫婦のケンカ・・つまりは、これに関しては映画でなくともまさに現実でも起きようことだが、知り合うキッカケとなること、出会いの要因が第三者の行動によることという、スピリチュアルっぽい云い方をすると縁(キューピット)役として喧嘩夫婦が取り持ったという、ふとしたキッカケがいつどこにあるかわからないというもの。これに関しては映画の世界でなくとも自分にもこれまで何十とあったしこれからも起こるであろうという素晴らしいことがあるんじゃないかななんて思ったりも。

・・個人的にはご期待に沿えなかったが、一応三作は観ようかと。