Posted on 3月 14, 2022
(映画パンフレット)『DUNE/デューン 砂の惑星(2020)』
フランク・ハーバートによる同名SF小説を映画化、ドゥニ・ビルヌーブ製作、脚本、監督作品『DUNE/デューン 砂の惑星』(2020)
(原題)「Dune: Part One」
(出演) ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、ハビエル・バルデム 、ジェイソン・モモア 、オスカー・アイザック、 ゼンデイヤ、
(音楽)ハンス・ジマー
やっぱり映画も本や絵画や人物などあらゆるモノと同様、そこから受ける波長が大いに好みに関係するかって改めて思わされたよね。ベストセラーでもなく人気でもなく世間で云われる評判でもなく、単に自分が良かった(好きか嫌いか)ツボにはまったかなんだよね。
・・ということで、世間で騒がれているほどそれほどめちゃくちゃ良かったぁ・・っていうわけじゃなかったなあ(『ブレ・ラン』の時もだったかな)。一応、観直し(復習)として先日リンチ監督版を観直したんだけど、どちらが優れているというわけじゃないとして(簡単に比べるわけじゃないけど)正直自分はリンチ監督バージョンの方が刺さってるよね。正直心から面白かったし、楽しめたし、らしかったし。この作品けっこう失敗作(興行的にも)っていわれてるけど、全然そうでもないよね。みんな世間では今回の映画の方を(かなり)絶賛してるみたいだけど・・なんだろうね・・グロテスクさやお遊び感覚など含めたより作家性を思うと、やっぱりリンチバージョンの方が・・と思うけどね。
・・なんかね、今回のドゥニヴィル監督バージョンを観てね、確かに IMAX もあって確かに音響的にも映像的にも綺麗だったし迫力もあった。・・けどね、なんかね、『ブレ・ラン』を見たときと同じ感覚(観心地)だったなぁ、良くもそうでなくとも。なんかね、高尚な真面目な、例えがどうかと思うけど、 NHK の大河ドラマ(普段観てないのに云えたわけじゃないが)を見た感じ・・と言うか 、ノーラン監督作品観てる時(観た時)と同じ匂いがしたんだよね。後から思い返してみて良かったのかなぁって? あと、ヘンな例えじゃないけど、今回の作品を絵画でいうとダ・ヴィンチやルノアールなどの王道路線に対して、一方のリンチ版としてはと云うと、アンリ・ルソーやデ・キリコのような・・って感じたんだけどね。なんて云うのかなぁ、クセなんだよね。そこが(今作は)何か物足りなさと言うか、真面目かって?何か消化不良さも感じたのかなぁ~。もちろん2年後くらい(予定)のパート2が作られたら観に行くけどね・・今回の作品を観て、次作に対してのなんかワクワク感(期待度)がちょっと薄れたような。
でもこれしょうがないよね、個人個人の好きずきだからね、いかに原作に忠実だったかとかそういうこと抜きにして、全体的な観心地なんだよね。受ける波長なんだよね。
今回のパンフレットだって作ったのが同じ会社(編集部)だったのか、ブレードランナーと同じだもんね。やっぱりこっちも高尚なもの(真面目)に見えちゃってなんかさみしかったよね。美術館のパンフか?って。だいたい綺麗だもんね。自分のような昭和の人間にとってリンチ版の方のパンフはその頃の定番感あるけど文字も大きく見やすいし、詰め込み過ぎでもなく薄っぺらでもない、自分にとっては丁度いい感じの中身に思うけどね。
スコア的には今回ハンス・ジマーだったけど・・なんか全編にわたってドッカンバッカン(『ダンケルク』の時もそぅ思ったっけか)・・なんか観ながら途中で「なんか、うるさいな~」って思った時もあったしね。それに比べたら、リンチバージョンの方といったらブライアン・イーノのメインテーマがずっと(いまだに)頭に残っているくらいのもの(わかりやすい旋律だったしね)だしね。
・・結局、自分にとって今回の作品は駄目だった(面白くなかった)というわけじゃ決してないんだけどね・・ちょっと期待しすぎたのかな?別に監督が好きじゃないってわけでもなく、『メッセージ』や『複製された男』なんかも断然支持してるし。けどね、『ブレードランナー』に関しては今回のリメイクと同じく前作のリドリー・スコット版とやっぱり比べちゃうとねえ~、劣っているわけじゃなく一作目の方に肩をもっちゃうんだよなぁ。今回でいうリンチ監督バージョンの方が自分は刺さったなと・・それだけ。期待したぶん映画ファンの間で絶賛されたり書き込みされているのを見たり聞いたりするたびに、そうかなぁ?って・・。 まあ、2時間版の映画としての楽しさは味わったけどね。
・・さて、ホドロフスキー版の『DUNE』をもう1回観てみようかなと。
ーーーーー (後日二度目の鑑賞)↓ ーーーーーー
・・いやぁ、やっぱりいい!ホドロフスキー版の方がね。未完の超が三つ付くほどの絵コンテのみの大作。絵は無く監督のおしゃべりだけだが、パッションがある、熱意がある、狂気がある、スケールもある、要は魂があるんだよね。ビジネス以上に。
「私にとって映画は芸術だ、ビジネスである前にね」
だからか、余計にドゥニ・ビルヌーブ監督版の感動、記憶が薄れてしまった。且つ、本当に良かったのかな?って更に思ったりも・・。なんか萎んじゃった。