(映画パンフレット)『愛の陽炎』

  橋本忍脚本、三村晴彦監督作品『愛の陽炎』(1986)

  英題「Love’s Shimmer

 (出演)伊藤麻衣子、萩原流行、北林谷栄 、司葉子、佐野浅夫 、小坂一也 、小倉一郎 、

 (主題歌)伊藤麻衣子「愛の陽炎」

 (メインテーマ)伊藤麻衣子「奥秩父子守歌」 

・・先日久しぶりに観て初見時よりもさらに感動に胸ときめかせてくれた『天城越え』のこともあって、三村晴彦監督の他作品はどうかと関心持って、さらには脚本界の大御所橋本忍によるシナリオというダブルな見どころというのか観たい欲求がつのり公開されてからけっこう経つ作品なのだが(予備知識らしきものは無く世の情報によると一種のカルト的にも捉えられてると)初めて観ることに。

・・率直なところ『幻の湖』が頭の中でよぎるほどの、これって真面目に観ていいのかどうか、ホラーなのかコメディなのか困惑してしまうような、なんとも言えない映画に感想もなにも、とりあえず観ましたというしかないような・・困っちゃったねぇ。ヘンテコ映画といっていいのかトンデモ映画なのか、この時期に珍品映画をまた体感(実写映画のドカベン以来といったとこか)。

 簡単にいうと製材所という地味な舞台のなかでの結婚詐欺と呪いの五寸釘・・とでもいったとこか。この作品、製作陣的にはどう捉えられようがホントに作りたかったという映画だったのかな?というのは、よくまぁこの内容で多くの客を呼ぼうととしたのか疑問がのこる一方。

・・当時二十歳そこそこだったのかな?伊藤さんもよく頑張ったんじゃないかな。『ボビーに首ったけ』を思わせられたほどやたらバイクの走行カットが多かったなぁとあったけど、どうやらちゃんと運転してたようだし泣いては怒ってと共演の萩原さんによくもまぁ振り回されたなぁと。そして100%あるだろうなと思ってたエンディングでの歌による締め(これはまさにアイドル映画としての必須)。

・・けっきょくのところ、こうも同じ監督の手掛ける映画であっても中身(物語)によっては作家性も何もなく、しかも同じ監督が手掛けたのかどうかも判らなくなるほどの感動、無感動があるものなんだなとヒシと感じたね。