Updated on 6月 24, 2020
(映画パンフレット)『パターソン』
ジム・ジャームッシュ脚本、監督作品『パターソン』(2016)
原題「Paterson」
(出演)アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニ、永瀬正敏、
・・ここんとこ、監督の作品「ブロークン~」「オンリーラヴァーズ~」が正直惹きつけられず(未観)ジャームッシュ作品としてはちょっと御無沙汰だったのだが今回はチラリと宣伝(予告も)を観たかぎりでの初期の頃のオフビート感があるように思われ、久々期待持って鑑賞。
・・いやぁ、観てホントに良かった。映画から教訓めいたもの、強いメッセージ性もなく、淡々とした繰り返される日々をただ描かれているだけ。だけどなんでこうも心にグッときたものがあったんだろう?
・・幸せってなんだろうなぁ?あれこれと欲しいものや、やりたいことが無くても確かに生きていけるし心構えや生き方ひとつで満足できるものなのであろう。まさに「足るを知る」か。主人公は毎日を仕事終わりのBARでのビールを飲むことと、ライフワークとして詩を書いている。それだけなのだが(たしかにアクティブな奥さんと幸せに暮らしている)日々充実している。羨ましいくらい。つつましいっていうのも良いものなんだね。
・・パンフからの引用で「・・自分らしい生き方をつかむ手がかりは日々の生活にある(by監督)」・・いわば脚下照顧(自分の足元にある)かな・・。ただ、押しつけがましくなく、かといって特に詩的でもないが、なんて美しく励まされる言葉であろうか。
・・役者に関しては、今回の作品で初めて知った(過去の出演作を観てなかったから)主人公を演じたアダム・ドライバー。飄々とした(朴訥感)感情の起伏出さない主人公ぶり(弁当箱持っての通勤姿がなんとも微笑ましい)。そのキャラクターに違和感なく普通に観られた。逆に云えば、昨今の洋邦の映画の登場人物たちはちょっと表情、芝居が大げさにも思えることもあるんだよね(「ワァー!」ってわめいたりなんかあったり)。
・・もうひとつ最後にパンフから気に入った文面を。早稲田の江田先生のコラムから引用で「・・CG狂いの騒がしい映画ばかりの今日のなかの一服の解毒剤・・」この映画にぴったりの紹介文であり気持ちいいくらい同感。