(映画パンフレット)(北野武作品)『キッズ・リターン』

  北野武脚本、編集、監督作品『キッズ・リターン』(1996)

  英題「Kids Return」

 (出演)金子賢、安藤政信、石橋凌、森本レオ、山谷初男、大杉漣、寺島進、津田寛治、下絛正巳、丘みつ子、

 (音楽)久石譲

 

・・ヤクザ映画とはちがって自分にも思い当たることがあったり似たようなことを経験したことがあるとう、より現実的な共感部分も多かったこともあって(この映画もバイオレンス要素多かったけどね)身につまされたりと、なにか重たさを感じたかな。学校に通ってた頃の夢や希望が年とるとともに現実世界での厳しさしか残らない痛烈な残酷な道のりに観てるこちら側も他人事でなく笑ってばかりもいられない。

 ラストでの「始まってもいねぇよ・・」も名言と云われたりするが、映画でのそれまで描かれてた期間での諸々を思うとスカッとはならず痛々しさばかりが残ったかな。楽しみ、喜びの感じられないなかでの日々タクシーの運転に送ってる登場人物のなかのひとりのキャラを思うと悲しくなるね。それをカバーするかのような軽快な久石さんのメインテーマが只救いのひとつだったと個人的には捉えてる。 華となるようなヒロインらしき女性の登場すら無いしね。