(映画パンフレット)『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

  アプトン・シンクレアの原作「石油!」を映画化、脚本、製作、 ポール・トーマス・アンダーソン監督作品『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)

   原題「There Will Be Blood」

  (出演)ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ、ケヴィン・J・オコナー、

「There Will Be Blood」・・旧約聖書エジプト記「十の災い」の中の一文(いづれ血に染まる)より引用。

・・まず、邦題をなんとかならなかったのかなぁ?全然意味が判らなかったし。上記のように判明したとしてもあまり日本人にとってはピンとこないしね。たまぁにあるよね、原題をそのままカタカナ表記にしてタイトルとするもの。昔の水野晴郎さんの頃のようにバンバンと日本独自の邦題つけなきゃ・・。これじゃ(年配の人などにとっては横文字のそのままのタイトルじゃ)お客呼べないよね。

途中までは観てて「黒部の太陽」のような石油ラッシュ時の苦労話モノかな?と思いきや「市民ケーン」のハーストのような孤独モノもあったりなど(あぁ、そういえば、ウズラを撃つシーンを観ながら「マルセルの夏」ぶりに観たなぁ~と観ながらプチ感動)・・

・・けっきょくは欲望に利益に金にくらんだ愚かな人間模様だったね。ラストは壮絶だったね。

音楽的には全編鑑賞して耳に脳裏に残ることの少ないスコアだったなぁと思いきやのエンドクレジットでのキューブリック映画を思わせる清々しいオーケストラで締めたね(ちょうどラストカットのシンメトのボーリングレーンもシャイニングのエレベーターホールを思わせたり)。

役者陣では主演の(相変わらずの怪演)ダニエル・デイ=ルイス・・と云いたいとこだけど、この映画に関しては共演のポール・ダノさんの気持ち悪さの方が個人的には際立ったかな。