(映画パンフレット)『ウトヤ島、7月22日』

  2011年の7月にノルウェーのウトヤ島で起きた銃乱射事件(ノルウェー連続テロ事件)を基にされた72分間ノーカットを含む映像化。

 エリック・ポッペ製作総指揮、監督作品『ウトヤ島、7月22日』(2018)

 原題「Utøya 22. juli」

 (出演)アンドレア・ベルンツェン、他

・・どうしても実録モノは興味に惹かれて観てしまうなぁ。映画が公開されるまでこの事件のことは正直知らなかった。公開前の劇場予告で知る。ノーカットはいいから野次馬根性でどんなことが起きたのかでさっそく鑑賞。同じ頃だか、ナショナルジオグラフィックチャンネルでも特集されてたよね。あと、情報によると庁舎爆発も含めた犯人側視点からもあるドラマ版もあるらしい。

・・まぁ、映画はというと『1917』や『バードマン』などのような、ここ数年来より増えつつあるワンカット処理(この映画では全編ではないが当時の凶行時間の72分をワンカットで撮影されたらしい)が話題となった、ジャンル的には極限状態でのサバイバルもの。

実話を基にした物語ではあれ、フィクションとしての主人公のカヤさん・・いろんな意味でよくガンバッタ。映画を観るまでポスターやチラシでみた顔や一度きり観た予告編よりイメージしてたのは二十歳すぎた若い女性かと思ってたのだが、もっと若い十代のまだあどけない少女であったね。時にはしっかりした姉として、時には負傷者に寄り添う母として、自分だったらあぁはできない。

あらためてこの映画を観て知ったことの幾つかに、ノルウェーでの死刑制度がなく最高刑で懲役21年だったということ、それ以前に当日の庁舎爆発テロ(同じ犯人による)により、元々庁舎前がどうぞと云わんばかりに開放(注意散漫)されてて、爆破によって通信手段の麻痺や警察らの島への移動の遅延などなどいろんな要素があったりして島での惨劇が起こったらしい。

「ナショナルジオグラフィック」では爆弾をつくる犯人のことも再現として演じられたりしてたけど、観ながら『太陽を盗んだ男』の城戸先生じゃないかと。

・・ノルウェーもだが日本も治安が良く、けっして日頃から平和ボケしていてはいけない。いつ、どんな偏った思想の持ち主が凶行起こすともわからない。ヒトゴトではないからね。