Posted on 10月 5, 2025
(映画パンフレット)『サブスタンス』
コラリー・ファルジャ製作、脚本、編集、監督作品『サブスタンス』(2024)
原題「The Substance」
(出演)デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド、
* Substance・・物体、物質、実体、実質、
~第97回アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞~
・・パワー、勢い、爽快感、ときてのカタルシス。大雑把にいうと、悲哀感もある痛快版「遊星からの物体」要素てんこ盛りの「サンセット大通り」といったとこかな。 ここ数年前より話題ともなってる『ルッキズム」という現代ならではの社会性をメインに風刺してるものがあるが、逆に云うと、麻薬常習者のように「もっと、もっと」の足るを知らない募るエスカレートする美への欲望といったとこか。社会に対する挑発的映画と云ってもいいかな。 ほかにも監督、リンチ、キューブリック、クローネンバーグ等々よほどお気に入りも多いようでオマージュぶりも多々みられて(その多さといい)クスリと毎度毎度笑ってしまった。ラストでの劇場シークエンス(キャリー色)では思わず「もっとやれ!」応援状態に。
・・あれ?と思ったことは(べつにネタバレもなにもないと思うんだが)パンフ内にクリーチャー化したエリザベスのスチール(まるで漫画家諸星大二郎モノに出てくるようなクリーチャーぶり)が無い。なんでだろ? と、あと、パンフの表裏デザインに関しては、ちょっとキレイさが目立っての物足りなさを感じたかな。じゃぁラストの怪物を出せばいいかと、そうでもないが、顔アップとクスリだけじゃね~。目ん玉2つもよく見ないとちょっとわかりずらいしね。
・・さて、肝心な主演のデミ・ムーアさん、過去には『G.I.ジェーン』で頭を丸めての主演には「よくやったなぁ~」と感心したもんだったが、演技に上も下もないけど今回軽く超えたね。『セント・エルモス』から『ゴースト』を経てこれまで観てきて贔屓にする女優というわけじゃなかったけど、さすがに今回はあっぱれだな。アカデミー賞の主演女優賞獲ってほしかったね。なによりも年とっても(映画のなかでは年のせいで番組を降ろされる新旧交代もあったけど)全然キレイだったけどね。
Posted on 10月 5, 2025
(映画パンフレット)『痴人の愛(’60)』
谷崎潤一郎原作小説を映画化、木村恵吾脚本、監督作品(初映画化、京マチ子主演に続いて二度目の映画化)『痴人の愛(’60)』(1960)プレスシート
英題「Naomi」
(出演)船越英二、叶順子、田宮二郎、川崎敬三、石井竜一、大川修、三国一朗、多々良純、春川ますみ、菅井一郎、
(音楽)松井八郎
・・映画を観る前先にプレスを購入(パンフ化はされてないのかな)。あとから映画を楽しみにして観る。
・・安田道代さん主演の増村保造監督版に次いで谷崎原作二度目の鑑賞。前々から主演の叶順子さんはお気に入りの女優のひとりだったのでその主演ないし「痴人」となると観たくなるのは当然のこと。とはいえ、上映の機会もなく、レンタルとしてのDVDもなかなか無く、CSや配信でもなかなか見当たらない。この機会にと仕方なくセルとして購入、鑑賞。
増村監督版と比べてというわけでなくとも、エロチック要素が淡白だったね。それこそ安田さんのナオミを観た頃30、40年前から既に叶さんのナオミバージョンもあることを知ってたんで、ようやく観るにいたったのだが・・率直に、ナオミとしての叶さんはちょっと大人びてたかなと。さらには冒頭からの金髪に違和感(終盤で黒髪にしたのは良かった)。今作では原作にもある馴れ初めとしてのカフェでの女給と黄連客ジョージがなかったね。劇中のセリフにもあったナオミに対する「白病美」も似合わない。なんか名馴染めなかったなぁ。要所要所裸体が映る部分もあったけどボディダブルだったろう。 ということで同じ原作映画でも安田さんの方が良かったのかというと一概にそうでもない。
ジョージ役の船越さんもマイナスな面で(不似合いまでは云わないが)役者柄か、どうしようもない醜男でもない。こちらに関しては増村監督版の小沢昭一さんの方が同意、共感、より譲治っぽさが感じられたね(こんな人がナオミとなんかと一緒に生活?という訳ありのパートナーという設定)。
・・今回プレスシートとしてとりあげたんだが、そもそもパンフとしての存在あるのかな? 或る時ネットで見かけた一枚の画像、地方の映画館で独自に作られたのかな?大映マーク入りのパンフらしきものが。そうか、パンフとして存在してたのかと。松竹マーク入りの「ゼロの焦点」のパンフの存在らしきを知った時同様ビックリしたね。