Updated on 7月 29, 2022
(書籍)(谷内六郎)『谷内六郎 いつか見た夢』







生誕100年、谷内六郎展~いつまで見ててもつきない夢~
谷内六郎 谷内達子 橋本治 芸術新潮編集部
『谷内六郎 いつか見た夢』新潮社
・・谷内六郎さん。先日の NHK 「日曜美術館」にて改めて偉人ぶりを再確認。というか、もう何十年と存在(名前)を知っておきつつ、且つあちこちの古書店でも見かけたりはしていたのだが・・(これまでは)正直関心がなかった。避けてたわけではなく単にささるものがなかった。
それがふと観た先日の放送にてこれまでに全然知らなかった(作風から人柄、名作の詳細など)だけで、結局は自分のツボにはまる要素の人物であり作品の数々であったことを改めて知ったのだった。簡単には云えないが(漠然とではあるが)・・なにか茂田井武さんの世界に通ずるものが感じられたんだよね。素朴さや幻想感・・などなどね。あと共通点というか谷内さんも夢に関心があったたようで。
作品に関しては、まずなにより描かれるキャラの目が良い。例えがどうかと思うが、水島新司原作漫画「ドカベン」の山田太郎の目に似た見るからに純朴そうなまなこ。作品によっては悲しく見えたり怯えてるようにも見えたりするなど、子供だった頃の自分と(勝手ながら)なにか合い重なるものが感じられたかな。
それで放送観てから居ても立ってもいられず休日の天気の良い日に一路横須賀美術館へと。自分としては横須賀に行くことじたい初めてである。事前に調べて最寄りの京急「馬堀海岸駅」からバスで10分から15分とあったが晴天のもと散歩がてらと海岸沿いなど歩いて行くことにした(けっきょく帰りも歩いて)。日頃ビル群のなかで仕事や生活していることからも歩いてる際、自然豊かな環境のなか、海風(塩の匂い)が非現実感を味わった。岸壁に寄せる水も綺麗だったね。
美術館に入ってからはサラっと作品群を鑑賞。驚いたのは映画『鬼畜』のポスターも手掛けてたとは思わなかったなあ(知らなかったね)。あとポロライドカメラって響きがいいね。お土産(復習や記念がてら)にこの本を購入。
企画展ではおなじみ古賀春江さんの有名な作品『窓外の化粧』もあったりしたけど、今回初めて知ったなかでは阿部金剛さんの作品『風景』(ちょうどチケットの作品だね)がデ・キリコの『通りの神秘と憂鬱』を思わせられて個人的にはツボにハマってしまいずっと作品の前で見入ってしまったかな。
いやぁ~、これから(古書店などで)谷内さんの作品から目が離せなくなりつつ(気にしつつ)あるね。今回を期に(遅かれではあるが)素晴らしい画家を知ってなんだかうれしいね。
Updated on 1月 26, 2023
(映画パンフレット)『人間の証明』



「犬神家の一族」に続いての角川春樹事務所製作第二弾。作品森村誠一の長編推理小説を映画化、脚本松山善三、佐藤純彌監督作品『人間の証明』(1977)
英題「Proof of the Man」
(出演)松田優作、岡田茉莉子、ジョージ・ケネディ、ジョー山中、三船敏郎、岩城滉一、高沢順子、鶴田浩二、ハナ肇、
(音楽)大野雄二
(主題歌)「人間の証明のテーマ」ジョー山中
・・「ストウハ」「キスミー」「西條八十詩集」
『母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷(うすい)から霧積(きりづみ)へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、
紺の脚絆(きゃはん)に手甲(てこう)をした。
そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった、
なにしろ深い谷で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍らに咲いていた車百合の花は
もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、
昔、つやつや光った、あの伊太利麦(イタリーむぎ)の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく。』
・・金田一耕助シリーズの映画のようにキャストをみただけで犯人はわかってしまうものなのだが、原作森村誠一さんも松本清張路線を通った作家だったので犯罪動機が清張作品タッチの因果があり切なく悲しく暗いが観心地があるよね。軽くないのがいい。






