Updated on 3月 2, 2019
(映画パンフレット)『ベニスに死す(ニュープリント版)』
トーマス・マン原作、ルキノ・ヴィスコンティ監督作品『ベニスに死す』(1971)2011年ニュープリント上映版パンフレット
・・けっこう昔からシネマショップなどで売られているパンフやポスターなど何度も何度も目にしたりして映画の存在は(たしかに)知ってた。ただこのパンフといい表紙のタッジオ少年の顔がなにか怖く見えて(こちらを睨みつけるような鋭い目つきが?)さらにタイトルも「・・死す」でしょ?正直良いイメージなくけっこう歳とるまで観ることなかったよね(そんなことあったせいか、何度も映画を観ても彼を絶世の美少年とは・・あまり思わないね)。
・・思い返すと、キッカケは友人として度々会っていたIさんの影響だったかな?(ちなみに「去年マリエンバートで」を観るキッカケをもくれた)美しい退廃映画として名作だよとしてどうか?と薦めてくれたちょうど矢先、BSNHKで放送されたのを鑑賞(と、その前に原作も読む)。
・・いやぁ、(ため息出るほど)これぞ、ドハマリ。古今東西今に至っても洋画邦画あわせても一番好きなオープニングタイトル。マーラー交響曲5番4楽章のアダージェットバックに画面F.Iしてのゆっくりとすべっていく船から始まって、砂浜でのラストにいたるまでのもぅ芸術としか云いようがない素晴らしさ。当然この映画をはじめヴィスコンティ映画にはしり(次に観たのは「地獄に堕ちた~」だったね)、他のマーラー作曲を聴くようにもなり、影響は大きく広がっていったね。ちなみに原作者としてのトーマス・マンものとしていつかは「魔の山」を読もうかと思ってるんだけど長そうだし・・キッカケがね・・。
・・主演のダーク・ボガードの熱演も良かったけど・・奥さん役のマリサ・ベレンソン(キューブリックの「バリー・リンドン」でも目を惹かざるをえない)も光ってた。
Updated on 1月 31, 2023
(映画パンフレット)(原作松本清張作品)『疑惑』




松本清張原作を映画化。野村芳太郎製作、脚本、監督作品『疑惑』(1982)
~1974年に発生した別府3億円保険金殺人事件をヒントに創作された原作を映画化(実際の事件では車から這い出て助かったという後の容疑者は不動産経営の男~
英題「Suspicion」
(出演)桃井かおり、岩下志麻、仲谷昇、
(音楽)芥川也寸志
・・おそろしい女のバチバチ感溢れるサスペンス劇(罵声浴びせるわ、水かけるはの)。
もぅ、観てて怖い怖い。
このコンビ(桃井、岩下)の芝居を最初に観てしまうと(もぅ観てしまったんで)のちにテレビなんかで4~5回ほどドラマ化されてるらしいけど(未観)、あまりの映画でのインパクト(衝撃)の為それからテレビで放映されても全然観る気もなく映画を超えるようなクオリティ作品はまだ無いだろうなぁと一方的に思ってる。
仲谷さんはこの映画で知ったような記憶で、以降、自分だけの先入観として可哀そうな役ばかりさせられているようにも思った時期もそれからも長くあったが(あくまでもバイプレーヤーのひとりとしてね)、けっこう年数経ってのちに観た吉行淳之介原作の映画『砂の上の植物群(中平康監督)』の主演ぶりを観て新鮮に驚いたし、そのニヒルさぶりにイメージもそれから変わったね。








