(映画パンフレット)『ホーリー・マウンテン』

  ルネ・ドーマル原作「類推の山」を映画化、アレハンドロ・ホドロフスキー製作、脚本、セットデザイン、衣装デザイン、共同音楽制作、編集、監督作品『ホーリー・マウンテン』(1973)

  原題「The Holy Mountain」

 (出演)アレハンドロ・ホドロフスキ-、ホラシオ・サリナス、ラモナ・サンダース、

 (音楽)ドン・シェリー、ロナルド・フランジパネ、アレハンドロ・ホドロフスキー、

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   タロット、占星術、錬金術、地理、絵画アート、センセーショナル、オカルト、宗教、神秘学、ラブ・マシーン、しゃべる魚、幻魔大戦、

・・やっぱりこういう映画が好きなんだなぁと実感。こういう映画・・わかりやすい、なにも考えなくていい、観たそのまんまのアクション映画やラブロマンス、ホラーなどなんだか味気なく(つまらなく)、と、その前に観たいという気がなくなってしまうという・・そうではないこの映画のような1カット1カットになにか意味があるような(ついつい考察してしまうような)暗示や歴史、裏事実なんかも含まれているんじゃないかと、一見なんだなんだと思い巡らすカットの連続・・リンチやキューブリック、勿論当監督のホドロフスキーしかり、アート系(ATG映画なんか大好物)とも云われるような、たとえゲテモノでもあるともゾクゾク観ながらグサリと刺さるね。

・・気持ちよく、というか、なにもシコリなく清々しく観終えたのは本編途中にどんな残酷描写、目を背けたくなるような不快行動(モノ)・・ただ、カエルにはまいったなぁ・・悲惨な出来事が起ころうともこの映画でのラストでも監督券出toiukoto.

演錬金術師役のホドロフスキー自身も云ってるように、 「これは映画だ!」ということ。つくりものだよ、フィクションだよということ。所詮つくられた世界なんだよね。2時間のエンターテインメント。総合芸術を体験できたという娯楽。 ・・狂気と癒しは紙一重?

(映画パンフレット)『課外教授』

  フランシス・ポリーニ原作を映画化、ロジェ・ヴァディム監督作品『課外教授』(1971)

  原題「Pretty Maids All in a Row」

  (出演)ロック・ハドソン、アンジー・ディキンソン、テリー・サバラス、ロディ・マクドウォール、キーナン・ウィン、

  (音楽)ラロ・シフリン

・・邦題にして「個人」だか「課外」だか「教授」、「授業」、「レッスン」やらと、いろいろ区別つかないというか混同してしまう70年代から80年代とあったなかの一作と印象。原題を直訳すると「少女たちが並んでる」かどうかはわからんが、邦題もなんだか抽象的でよくわかりずらい。パンフの表紙デザインから他にも多種あったお色気モノなんじゃないかと観る前の勝手な先入観(このパンフも観る何年も前になんにも中身も知らないままの或る意味ジャケ買い、このレイアウトいいね)。いつか上映の機会を待とうと、レンタルやセルDVDでも普通にあるんじゃないかと、これが意外とレアな作品。しかもB級エロ映画かと思いきやの主演にロック・ハドソンに音楽もラロ・シフリンが担当してると。これはよくあるおバカで下品な単なるエロ映画ではないぞと。

 そしてずっと待ってた訳じゃないが忘れた頃のCS放送にて初めて観る。

・・高校内で起きる連続殺人事件の犯人探しと、(やはりタイトルからしての)青年の大人になりたい思春期成長ものの二本軸で展開ときた。犯人は序盤の方で検討つくような謎解きでもないし、性に目覚めていく青年ポンスの奮闘もライトであったし、いまいちインパクトにも欠けてたかな。ラストでは『ヘレディタリー』『その男凶暴につき』じゃないが引き継ぐ継承ものというオチといったとこかな。

 キャストでいうと、まず主演のロック・ハドソン。これまで観てきた映画でいうとあまり馴染みがないんだよなぁ(このあと久しぶりに『要塞』をも観ようかと)、とくべつ格好いい感じも個人的にはないし、単なるスケベ教頭にしか見えなかったかな。刑事コジャックばりのサングラストレードマークとしてかけたりのテリー・サバラスもキャラとして弱い。ということで(少女たちはみんな一緒にみえてとくべつ目に止まった人はなし)やはりか、年代が前後するが先に観た『殺しのドレス』のアンジー・ディッキンソンさんがちょっと若くしてのまさにポンスを誘惑する教師役で登場が一番の見どころだったかな。

・・とにかく誰が誰だか本編内に出演してた人物なのかわからんが(区別つかんが)、ジャケ買いしたこともあってパンフの表紙デザインはたしかにいい。