(夢に関する本)(小説・エッセイ)『夢判断』

夢判断1 夢判断2  

  久野四郎著『夢判断』(1968年)ハヤカワ・SF・シリーズ。

 ・・古書店で初めて著者と作品の存在を知る。題名からして確実に夢にまつわる作品だろうと判断し(本はビニールパッケージされてて中を見ることができなかった)購読。

この作品、17ある短編集のうちのひとつ。表紙の絵がいいね。

・・面白かった。昔から夢と云ったらと、ありがちな化け物が出てきたり、宇宙船などが出てくるような奇想天外な展開(・・それでも面白いのだが)ではなく、自分にも思い当たるようなリアルな”現実”と”夢”の二元的な設定を行ったり来たりと悩む主人公に共感したりなど、まさに”胡蝶の夢”の世界。読みながら、そうだよなぁ、今自分はどちらの世界をホントに生きているのだろうか?という恐怖をも感じたりも。

そして終盤に向けてこの後展開がどうなるんだろうと、原始時代と現代(未来?)の二つの世界を行ったり来たりして盛り上がった末・・サラッとなんだか急に尻すぼみのように終わったオチ(体験だったのかぁ~ネタばれ)に少々消化不良もあったのだが、まさに”夢”という題材を大げさでなく描いた作品だったね。

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