(小説・エッセイ)『殺人出産』

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 村田沙耶香著の短編集、『殺人出産』(2016年)講談社文庫。

・・この作品を近未来SF不条理ものと単に云っていいかどうか・・。

自分は読みながら映画でいうと「ソイレントグリーン」や「わたしを離さないで」など、また有無をいわさせない取り締まりの世界があることから「華氏451度」のような世界観さに気味悪さ全開感じたり。

ただ、”10人出産1人殺生”という制度(権利)に怖い恐ろしいというよりも自分はあまりにも現代からしてかけ離れた設定の非現実さに逆におかしく(コメディかと)ぶっ飛んだユーモアとして面白く読んだかな。

そうは云ってもラストでの殺人シーンはじっくりとグリグリ体を傷つけていくさま(なんだか遠藤周作の「海と毒薬」の九州医大での人体解剖実験の様子を思わせたり、よぎったりなど)に、読んでるこちらも痛々しかった。

他の作品、「トリプル」では、体液、唾液、色情、性器、精液、突起、乱交といった世界に自分のみる明晰夢の世界などダブったりして卑猥な展開に読みごたえあり。

最後の作品の「余命」は5ページほどの超短編。ふっと意識が薄れていくさまは、自分のみた過去の夢にも似たようなものがあって、まるで死んでいく瞬間のようなふっと意識が薄れるものがあって同じく読みながら恐怖を味わったなぁ。

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