(映画パンフレット)『花束みたいな恋をした』

 坂元裕二によるオリジナル脚本を映画化、土井裕泰監督作品『花束みたいな恋をした』(2021)

  英題「I fell in love like a movie bouquet」

 (出演)菅田将暉 、有村架純 、清原果耶 、加持航平、オダギリジョー、押井守、岩松了、戸田恵子、小林薫、

 (音楽)大友良英

・・まずはパンフから。小憎らしいほどのこじゃれたデザイン。これはいいね。まさかスケッチブックをパンフにするとはねぇ。あと、久しぶりにパンフ内の充実ぶり(豊富さ)にはいろんな情報といい喜ばしいモノがあるね。行きそびれたチケットまでなどこれまた憎いね。また、イラストも麦君のものを使ったりなど。これは良い。

・・さて、映画。普通だったら(個人的趣向だったら)まず観ないだろう作品であるが、身近のも巷にもあまりにも評判良く話題になってたことで(正直期待せず)鑑賞。

・・いや、よくありありな出会っただ、別れただ、恋だ、くっついただ、ハッピーエンドだ、好きだ、愛してるだ・・などの部類とは違い、甘酸っぱくも、初々しくもありながらもやがて訪れる残酷にも普通に皆も通る苦い世界を大げさでなくホロリと描かれてる一組のどこにでもあるカップルに愛おしさが暫く頭に残ったほど・・いや、正直観て良かった。

それこそ小林正観さんじゃないが(仮にも映画というフィクションでもあるけど)・・世の中、そういうふうに皆、出会うべき人やタイミング、シナリオというものが実際のところあるんだろうねぇ。けっきょくそれが長期であれ短期であれ、異性であれ同性であれソウルメイトというものなんだなぁと思ったかな。そもそも出会いのキッカケの重要な要素としてやっぱり話が合うこと、同じ趣味や好きな映画、同じ本など読んでることなんか大事なんだねぇ。でもその話の合うウキウキした伏線がラストにも強烈に襲ってくとはねぇ~悲しくも残酷だった。皆も一度はとおる筋を見せつけられたようなもの。第三者として観ているこちらまでももらい泣きしてしまう。

なんかいっぱい気になった台詞やカルチャー的な実名など出てきたね。⇓

天竺鼠、ミイラ展、押井守、ガスタンク、今村夏子、ストリートビュー、LとRのイヤホン、「私、山音さんの絵好きですって云われた」「何回もやった」「現状維持が目標」「社会性や協調性は才能の敵」「なんかもぅどうでもよくなった」「なんでパーはグーよりも強い?」「7対1で負けた際のブラジル国民に比べたら・・」「始まりは終りの始まり」「仕事は向いてるとか向いてないとかじゃなく、遊びでもない、生きる為」

・・いや、しかし、いつまでも学生気分じゃダメなのかね?「いちご白書をもう一度」じゃないけど、就職が決まって髪を切ってスーツを着るようになってからは社会の波にのまれ息抜きやそれまでやってた趣味までも奪われてしまう現実があるんだな。あの胸糞悪い世間体やら片書きやらに埋もれてしまうんだね。

・・いろいろ思うこと(青春の謳歌から時がもたらす別離にいたるまで)あるけど、なにが良いかって大友さんの音楽(メインテーマ)が泣かそう感動させよう、いかにもなラブロマンス調な旋律・・ではない、ライトでポップな淡々とした日常生活テイストを感じさせられた・・これがグッときたね。最近の映画でも数少ない耳に残るスコアのひとつとなったね。

・・この映画を観て後日でも(既に一回づつは観たが)今度は洋画版としての『(500日)のサマー』や『ブルーバレンタイン』あたりを観直したくなったね。影響されたか?・・