(映画パンフレット)(北野武作品)『その男、凶暴につき』

 奥山和由製作、作家の野沢尚脚本(のちに監督により書き直し)、北野武監督作品『その男、凶暴につき』(1989)

 英題「Violent Cop」

 (出演) ビートたけし、白竜、川上麻衣子、佐野史郎、芦川誠、遠藤憲一、寺島進、平泉成、岸部一徳、音無美紀子、

 (撮影)佐々木原保志

 (音楽)久米大作

・・それまで普通に漫才コンビ(ツービート)をテレビで観たり、たまに(ひょうきん族)(元気が出るテレビ)など観て、オールナイトニッポン(ちょくちょく進捗というか裏話など話してたりしてたよね)も聴いたりし、映画出演作「哀しい気分でジョーク」「戦場のメリークリスマス」での俳優としての北野武さんを観てたりはたしかにあったが、正直それほどファンというわけはなかった。

そんななか、映画を監督するという情報あったりと忘れた頃に映画を観に行った際での(なにを観に行ったのかはもぅ忘れた)本編上映前の劇場予告編で流れたこの作品の予告(ちょうどパンフの表紙のたけしさんの直立写真をパンしたりだけのバックにサティのグノシェンヌが流れる、なにか異様な不安感ムンムンさを感じ取った)を観てなにか只事ではないような映画だなぁと気になって気になって、いち映画好きとして観に行こうと公開してすぐにチケット買って鑑賞。

ガツンとやられたね。(衝撃)という単語ひとつじゃないだろうなぁ。なにかキリキリ、ヒリヒリ、痛々しいものを見せつけられた感いっぱいだったなぁ。何度も叩くビンタにせよ何度も腹に刺す行為、バットで叩かれてのおくれて吹き流れる血、あと、拳などで殴った際の聞いてて痛々しい音(バシ!)じゃなくて(ドン!)。拳銃の発砲音でも当たったら死ぬだろうなぁと思わせられる・・昔の刑事ドラマでの(バキュン!)じゃなくて生々しいのか?乾いた音の(パン!)。・・もうみんなそう、全編にわたって生理的に息苦しく圧倒されたモノを突き付けられたよう。面白かったというよりも疲れたね。観終わった後ホッとしたというか脱力感だった。

(けっきょく今に至る全作品欠かさず観るファンとはなってるが)この初監督一作でこころ掴まれたね。即、サントラ買ったし、撮影日記本(メイキング)も買ったし、2作目も期待して待つようになったかな。

・・現在でも普通に日本映画としても日々何十本と公開作品がつくられてるけど、現代を設定してるというのに、同じ日本人の役者さんが会話してるというのに、北野映画は(なんでか上手く説明できないけど)ニオイなのかなぁ?他の日本映画での雰囲気や世界と別の国の作品くらいの差の感じる違いを感じるんだよね。ヤクザや裏の社会をも描いてるから一言では片付けられない、やりとりをヒリヒリ感じるんだよね。サントラも全体にわたって暗く聴く度落ち込んじゃうほど。でもそれが良いんだなぁ。

いやぁ凄い作品だ。

その原点となったこの作品。テレビで放映されてるとぜったい観ちゃうね(もぅかれこれ10回以上は観てるかな)。

・・英題の「Violent Cop」・・なんか安っぽくないか?C級アクション映画のタイトルかと思っちゃうじゃないか。