Updated on 2月 5, 2019
(小説・エッセイ)(日野啓三)『都市という新しい自然』
日野啓三著『都市という新しい自然』(1998年)読売新聞社。
~~まず日野啓三作品のなにが良いかって・・本編を読む前からして本の装丁意匠が良い。一幅の絵画を買うようなものでもある。もぅそれだけでも満足。例えて云うなら映画「007シリーズ」の本編前のタイトルデザインのようなもの。本編をもぅ観た感、読んだ感になってしまうほど、そんな感触が日野作品にはある~~
・・古書店の棚に並ぶ数ある本のなかからひと際目立った(ギラギラ光る銀紙チックなカバーが目立った)本に導かれ、手にとり、久しぶりの日野啓三作品を買う。家に帰り静かにヒーリングミュージックを流すなかで読む。
音楽のせいでなく、抽象的表現など読んでて眠くなるような文章が続く。おなじみ夢に関するエッセイやタルコフスキー映画評、ムンク作品にいたるまでバラエティー豊富。なんだかうつらうつらと夢見心地のなか読んだ気分。
・・あらためて日野作品は意味が判っても判らなくても良いのである。この独特な雰囲気と世界が自分は好きなんだなぁ。