Posted on 4月 11, 2017
(映画パンフレット)『火まつり』
中上健次原作・脚本、柳町光男監督作品『火まつり』(1985年)
・・先に原作小説を読み映画を鑑賞。中上作品は「蛇淫」「岬」に次いで三作目。
原作での達男のカリスマ的イメージを思うと、残念ながら映画版での達男(北大路)は、ちょっと違ったかな(自分で思い描いた元カノの基視子(太地)も、もうちょっと若いんじゃないかと)。ただ、達男の妻役の宮下さんは穏やかな献身ぶりが良かったな(普通の役ぶりがかえって良い)。
映画ではラストの惨劇ぶりが描かれてて(原作では銃声のみで終わってる)、正直びっくりしたなぁ。
あと鑑賞中ちょっと思ったのは展開的にいろんな人々(林業の人々、漁港のおばちゃんたち、スナックのママら、土地のブローカーなど)の模様が描かれてることから黒澤明監督の「どですかでん」っぽいなぁと思ったり(伴淳三郎の役ぶりがこの映画の三木のり平さんにダブったり)。
さすがに武満徹の音楽が入ると映画も全編重厚感あって文芸調を思わせホントに引き締まるね。
・・なにがインパクトあるかっていうと、実際本編にはないパンフ表紙の燃える人間のイメージ画だね。映画未鑑賞の昔から店などで売られているこのパンフ(表紙の燃える人間)を見てはいったいどんな映画なんだろうと(SF?ホラー?かと)よく思ったものだった。