(書籍)(谷内六郎)『谷内六郎 いつか見た夢』

 生誕100年、谷内六郎展~いつまで見ててもつきない夢~

 谷内六郎 谷内達子 橋本治 芸術新潮編集部 

 『谷内六郎 いつか見た夢』新潮社

・・谷内六郎さん。先日の NHK 「日曜美術館」にて改めて偉人ぶりを再確認。というか、もう何十年と存在(名前)を知っておきつつ、且つあちこちの古書店でも見かけたりはしていたのだが・・(これまでは)正直関心がなかった。避けてたわけではなく単にささるものがなかった。

それがふと観た先日の放送にてこれまでに全然知らなかった(作風から人柄、名作の詳細など)だけで、結局は自分のツボにはまる要素の人物であり作品の数々であったことを改めて知ったのだった。簡単には云えないが(漠然とではあるが)・・なにか茂田井武さんの世界に通ずるものが感じられたんだよね。素朴さや幻想感・・などなどね。あと共通点というか谷内さんも夢に関心があったたようで。

作品に関しては、まずなにより描かれるキャラの目が良い。例えがどうかと思うが、水島新司原作漫画「ドカベン」の山田太郎の目に似た見るからに純朴そうなまなこ。作品によっては悲しく見えたり怯えてるようにも見えたりするなど、子供だった頃の自分と(勝手ながら)なにか合い重なるものが感じられたかな。

それで放送観てから居ても立ってもいられず休日の天気の良い日に一路横須賀美術館へと。自分としては横須賀に行くことじたい初めてである。事前に調べて最寄りの京急「馬堀海岸駅」からバスで10分から15分とあったが晴天のもと散歩がてらと海岸沿いなど歩いて行くことにした(けっきょく帰りも歩いて)。日頃ビル群のなかで仕事や生活していることからも歩いてる際、自然豊かな環境のなか、海風(塩の匂い)が非現実感を味わった。岸壁に寄せる水も綺麗だったね。

美術館に入ってからはサラっと作品群を鑑賞。驚いたのは映画『鬼畜』のポスターも手掛けてたとは思わなかったなあ(知らなかったね)。あとポロライドカメラって響きがいいね。お土産(復習や記念がてら)にこの本を購入。

企画展ではおなじみ古賀春江さんの有名な作品『窓外の化粧』もあったりしたけど、今回初めて知ったなかでは阿部金剛さんの作品『風景』(ちょうどチケットの作品だね)がデ・キリコの『通りの神秘と憂鬱』を思わせられて個人的にはツボにハマってしまいずっと作品の前で見入ってしまったかな。

いやぁ~、これから(古書店などで)谷内さんの作品から目が離せなくなりつつ(気にしつつ)あるね。今回を期に(遅かれではあるが)素晴らしい画家を知ってなんだかうれしいね。