Updated on 3月 2, 2019
(書籍)(映画・芸術・芸能)『陶芸空間 虹の泉』
陶芸作家・東健次著『陶芸空間 虹の泉』私家版冊子
奥さんの助力を得ながらたった一人で35年もの期間をかけ(未完ながら)陶器でつくられた空間「虹の泉」の作者東健次氏による半生の記。
・・ETV特集「人知れず表現し続ける者たち」のなかで取り上げられていた(初めて知った)「虹の泉」に感銘受け、これはぜったい肉眼で観てみないと・・と黙ってはいられず、一泊二日を予定して三重県松阪市飯高波瀬にある「陶芸空間 虹の泉」を訪れる。
・・泊った宿のおかみさんから夕食後に「虹の泉」に関する過去に掲載された新聞記事と一緒に見せてもらったこの冊子。寝る前に一気に読んでしまった。特に20代の頃の苦労や母親の借金返済エピソードには涙が出るほどのものから、心底あふれ出る情念や憤怒がメラメラと燃え盛る炎(まるで園内のオヴジェにもあるような)のように読んでるこちらに怒涛のごとく伝わってくような凄まじさなどもあったり・・「ヨイトマケの唄」など思い起こしたりするものなども。まさかこのような本(冊子)があるなんて思ってなかったので、急に欲しくなり、翌朝返しがてらこの本をどこかで手に入れる方法はないかと聞いてみると管理されてる奥さんが車に積んだりして売ってるんじゃないかと聞くと、その足で再び「虹の泉」へ行くと奥さんも居られて購入。
・・ここはフランスの理想宮(シュバル作)と並ぶ誰にも真似のできない生涯かけてつくられた世界の中でも稀なアート空間だ。実際来てみないとこの迫力や身の震えは伝わらない。・・単なる珍百景では済まされない。松坂の宝だと思うのだが・・町は何もしていないらしい・・アートってそんなもんなのかね(悲しいかな寂しいかな)。