(書籍)(谷内六郎)『谷内六郎 コレクション120』

  横須賀美術館・谷内六郎館編集画集『谷内六郎 コレクション120』(2007)

・・NHK「日曜美術館」での特集された「谷内六郎」さんの回を観て、茂田井武さん以来に惹かれた画家の谷内六郎についてもっと知ろうと横須賀美術館へ行き書店やネット販売などでの谷内さん関連を買ったりいろいろ味わおうとしたなかの一冊。

 展覧会に売られたりしてる画集のように作品とサイズや年代だけでの情報だけでなく、作品ごとに谷内さんのコメント、エッセイ(週刊新潮用の)がちょうどいいくらいの量で書かれているのが(また中身もほんわかと心地よい)いい。

・・日曜美術館の特集回で観た時にもテレビで紹介されてた「失敗」が93頁に載せられているが、まさにこの作品を観たのがキッカケで谷内作品に惹かれたと云ってもいいだろうと。 

 たまに小説での登場人物や映画を観てて、この人(或るキャラ)まるで自分じゃないかと思われたりする共感大のキャラ設定というのがあったりなどするが、はじめて谷内六郎さんを知った「日曜美術館」のなかでいろいろ紹介されてたうちの作品のひとつ「失敗」。中央の男の子の気まずさのなかのどうしたらいいのかわからない複雑ななんともいえない表情・・まるで幼い頃から今にいたるまでの自分を見ているようにも見られて、思わず、「この顔!」とツッコミをいれたほど。自分の幼き頃の写真の一枚を観てるかのようにも思われたり。 ・・他の作品もそうだがみんな愛着あるんだよね。かわいいではなく微笑ましい。時間もゆっくり流れているようにも感じられる。