(映画パンフレット)『仄暗い水の底から』

  鈴木光司原作短編の一作「浮遊する水」をもとに映画化、中田秀夫監督作品『仄暗い水の底から』(2002)

  英題「DARK WATER」

 (出演)黒木瞳 、菅野莉央、小日向文世、小口美澪、水川あさみ、小木茂光、

 (音楽)川井憲次

・・原作は未読。『女優霊』『リング』の監督作品とくれば観ないわけにはいかない。顔のひん曲がった写真や川井憲次のどぉ~んと気持ちの悪いスコアをバックに、全編お母さん(黒木)に観てるこちらも振り回されたなんとも虚しい映画。

 メインが母子ということ、クライマックスでの原因となったキャラを慰めるということから『リング』『スウィートホーム』だなぁと。

けっきょく過って亡くなった他人の女の子をかばうばかりに自らも犠牲となった(なんの因果か)ことを思うとなんとも気の毒で実の娘もふくめてかわいそう。

・・エンドテロップ時も川井さんのスコアで締めくくってもよかったんじゃないかなと・・いつものことながらのエンディングでの歌はどうも映画の締めとして損ねてしまうと思う。なにもスガさんの歌が悪いとは云わないが余韻がなくなる(ちなみに歌詞のなかの「ぼくじゃ」が聴く度「ボクチャン」に聴こえて毎度笑ってしまう・・のは、たぶん自分だけだろう)。

・・ラストのエレベーターからの水ザッパ~ンは『シャイニング』のオマージュだった?

・・まぁ、お母さんが亡くなって残された娘さんも気の毒だったけど、そもそもを思うと設定からして冒頭からのリアルな離婚協定問題からしておもたい(現実でも普通にあることだが、親のエゴだかによってどれだけ子供たちがツラい思いをしてるか)。そのあたりは(映画のウェイトとして)もっとサラッとかるく流せなかったかなと。だから『リング』での、ただただ恐怖映画だったのに対して、こちらは水モノということもあってジミジミと暗くおもたかったね。恐怖(ホラー)というより怪奇って感じだったかな。

・・アメリカでもジェニファー・コネリー主演でリメイクされてるみたいだけど正直あんまり観る気はないなぁ。ただでさえ元々自分はリメイクもの好きじゃないしね。