(映画パンフレット)『イノセンツ』

  ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン合作映画、エスキル・フォクト脚本、監督作品『イノセンツ』(2021)

  原題「De uskyldige」

 (出演)ラーケル・レノーラ・フレットゥム、アルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ、ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム、サム・アシュラフ

 (音楽)ペッシ・レバント

・・監督が大友克洋原作の「童夢」にインスパイアされたという。自分はその「童夢」じたいこれまでに読んだことなく、ただでさえ、国内で名作視されてることからも一度読んでみてなおかつ映画も観てみようかと。

 率直な感想としては、手放しで面白かった~ということは無かったかな。観心地(余韻)がなにしろよくなかった。・・「嫌い」までは云わなくとも映画として(たしかによく出来ていると思われた思われるが)好きになれなかった。無垢な子供とはいえ善と悪に分け、果し合いをし、あぁいう結末にいたることじたい、心から良かったとは言い切れなかった。

 というか、そもそものことだが、まだなにも予備知識なしに観たとしたらまたちょっと観方も違ってたろうなぁ。「童夢」を先に読んだがために、共通項というのかオマージュともいうのか、パクリまんまと云うのか、どうしても観ながら映画と漫画を比べてしまい比較的今作の動的というよりは静的な展開に鑑賞中も期待ばかり募るはめに。いわば余計な予備知識を入れてしまったか、けっしてホラーなくとも無垢なる子供による劇中の残虐行為も正直気持ちが悪い。観てて不快だった。

・・観ながら『CURE(黒沢監督)』『台風クラブ』なんかよぎったりしたかな。

・・パンフのデザインに関しては、シルエットの女の子だけなのだが、いっそのこと、劇場本篇と同じ、さかさまの住宅と空をよぎっていく飛行機のカットであればもっと気持ちいいんだがと勝手に思う。

・・別に日本の映画配給会社にケチ付けたり文句言うわけじゃないが、ヴィスコンティや押井監督の『イノセント』などに加えてのこの作品『イノセンツ』。混乱したり考え込むほど頭のなかで同化してるわけでもないのだが、こうも洋邦問わず似たようなタイトルが増えていくと、さすがにもうちょっと違ったタイトルづけあっても良かったんじゃなかったのかな?など思うけどなぁ。